善徳女王 45話#1 玉璽(ぎょくじ)を守れ

『上大等(サンデドゥン)がお倒れになったーーーっ!』
『刺されたぞ!』

※上大等(サンデドゥン):新羅(シルラ)の最高官職 現在の国務総理

列仙(ヨルソン)閣での侍衛府(シウィブ)と兵部(ピョンブ)の睨み合いは

見張り兵が攻撃されたことで 再びの戦闘状態となった
密かに世宗(セジョン)を刺した石品(ソクプム)自らが騒ぎ出し 騒然となる
一方 徐羅伐(ソラボル)に迫ったチジュン公は…

『徐羅伐(ソラボル)の和白(ファベク)会議で

上大等(サンデドゥン)が殺害された これは政変だ!
この政変を鎮圧するために 全軍 徐羅伐(ソラボル)へ向け出陣する!』

※和白(ファベク)会議:新羅(シルラ)の貴族会議

※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)

徳曼(トンマン)は 春秋(チュンチュ)の手をつかんだ

『これは政変だ ミシルの… 乱だ』

チルスクは兵を率い 王の住まいであるインガン殿に向かい護衛兵を討つ

宝宗(ポジョン)は 待機している花郎(ファラン)たちのもとへ…
林宗(イムジョン) ピルタン ソニョル ワンニュンが待機していた

『一体 何事だ』

『列仙(ヨルソン)閣で 何が?』
『皆 よく聞け 列仙(ヨルソン)閣の前で上大等(サンデドゥン)が殺されかけた』
『誰がそのようなことを!』
『風月主(プンウォルチュ)と侍衛府令(シウィブリョン)閼川(アルチョン)が
武装兵と乱入した その際に起こった』

※風月主(プンウォルチュ):花郎(ファラン)の首長

『風月主(プンウォルチュ)と閼川(アルチョン)が?!!!』

『上大等(サンデドゥン)は?!!!』
『上大等(サンデドゥン)の容態は?』
『治療中だ』
『あり得ないことだ…なぜ風月主(プンウォルチュ)が
上大等(サンデドゥン)を殺そうとする』
『調査しないと分からないが 王女様を政務から追放するのが
会議の案件だった きっと王女様の命令だろう
そなたたちはここを動かず 次の指示を待つように
元上花(ウォンサンファ)の命令だ』

※元上花(ウォンサンファ):花郎(ファラン)出身で 師匠となる者

インガン殿には 昭火(ソファ)の付き添いで養生する真平(チンピョン)王が…

『外で何かあったのか?』

『私が見てまいります』

そこへ 側近が血相を変え飛び込んでくる…!!!

『陛下!陛下ーーーっ!一大事です!早く安全な所へ!!!』

徳曼(トンマン)と春秋(チュンチュ)の行く手には大男甫(テナムボ)が

『どうした』

『王女様 陛下がお呼びです インガン殿までお連れします』
『…なぜお前が伝えに来た?』
『お連れします』

大男甫(テナムボ)の合図で兵士が2人を取り囲んだ

列仙(ヨルソン)閣では 大等(テドゥン)たちが非難したものの

依然膠着状態が続いていた
侍衛府(シウィブ)側の先頭にはキム・ユシンと閼川(アルチョン)
すぐ後ろにはヨンチュン公とキム・ソヒョンが立っている
兵部(ピョンブ)側の先頭はソルォン

『列仙(ヨルソン)閣に武装したまま乱入し

上大等(サンデドゥン)を殺そうとした疑いで捕らえる』
『私たちは上大等(サンデドゥン)を刺していません!』
『調査すれば明らかになる おとなしく従え』

睨み合っている中の徳充(トクチュン)の様子がおかしい

睨み合いに集中せず 何かしきりに考え込んでいるようだ
閼川(アルチョン)がユシンに…

『はめられました 計略です!』

聞き捨てならないとでも言うようにソルォンが

『剣を持って乱入したのは事実だ!全員兵部(ピョンブ)へ連れて行け!』
『はい!』
『お前たち!!!』

ヨンチュン公とキム・ソヒョンが進み出て 兵部(ピョンブ)の動きが止まる

『陛下の許可なしに大等(テドゥン)を捕らえるだと?!!!』

『そうだ ここで事件が起きたのは事実だ
だが陛下の許可なく 大等(テドゥン)を捕らえることは法に背く行為だ!』
『玉璽(ぎょくじ)が押された逮捕令を出せ!
それまでは 我々に一切手出しはさせない!』

※大等(テドゥン):新羅(シルラ)の中央貴族の核心層

『無理に捕えるなら こちらも黙ってはおらん!』

『いいでしょう 陛下の許可が下りるはずだ それまでここにいろ』

一方 陣を張るチュジン公のもとへ報告が入る

『幢主(タンジュ)様!徐羅伐一帯の兵を掌握しました!』

『これをセジュに届けろ』
『はい!』

※幢主(タンジュ):郡に派遣された地方官

※セジュ:王の印を管理する役職

『中は片づけました』

チルスクが すべての護衛兵を排除したところへ ミシルが現れる

1つの書簡をうやうやしく掲げ 中に踏み入る
しかし 真平(チンピョン)王の姿はどこにもない

『セジュ…』

『まだインガン殿にいるはず 捜せばいいのです!』

真平(チンピョン)王とマヤ王妃 そして昭火(ソファ)は

側近に伴われ地下の隠し部屋へ…
玉璽(ぎょくじ)を王の前に置く側近

『陛下 玉璽(ぎょくじ)は無事にお持ちしました』

『ところで 誰が上大等(サンデドゥン)を刺したのだ』
『王妃様 詳しいことは分かりません
列仙(ヨルソン)閣の前で ヨンチュン公とソヒョン公
侍衛府郎(シウィブリョン)と風月主(プンウォルチュ)が
兵部令(ピョンブリョン)と睨み合っています』

※兵部令(ピョンブリョン):新羅(シルラ)の軍の長官

驚いて昭火(ソファ)が…

『政変ではないですか』

『ミシルが ついに…』

真平(チンピョン)王は ミシルがソルォンらを率いて

インガン殿に踏み込んだ時のことを回想する
すでに絶命していたチヌン大帝に向かって話すミシル…

「陛下 人を得る者が天下を得ると?人を得る者が時代の主になると?

人? …陛下 ご覧ください 私に従う者たちです!!!
陛下でなく このミシルにです!!!
そしてこれからは… ミシルの時代です」

チヌン大帝が無くなる前 ミシルは仏門に帰依せよと告げられていた

王孫であるペクチョン(後の真平(チンピョン)王)は 当時まだ幼く
泣きじゃくりながら物陰でこれを聞いていたのだった

『ミシルがついに… 乱を起こしたのだ』

『そ…それでは徳曼(トンマン)は?!!!』

その頃徳曼(トンマン)と春秋(チュンチュ)は 兵に囲まれ移動していた

『徳曼(トンマン)はどうなったの?!!!』

『王女様も列仙(ヨルソン)閣に?』
『王女様の行方は分かりません』
『玉璽(ぎょくじ)を奪われてはならない
ミシルは 私の名で徳曼(トンマン)を逆賊に仕立てる気だ』

すると側近が…

『ここではすぐに見つかってしまいます』

『陛下 私が玉璽(ぎょくじ)を持って外へ出ます』

昭火(ソファ)の申し出に 顔を上げる王と王妃

『この状況では私しかいません』

『でも… どうやって出るというの?』
『ここから外に出る秘密の通路があるのですよね
だからこちらへ来たのでは?』
『だが その秘密の通路はミシルも知っている』
『恐れながら… 陛下がおとりになってくだされば…』

結局 真平(チンピョン)王を見つけられず 
玉璽(ぎょくじ)も手に入れないまま
ミシルは執務室に戻ってくる 迎える夏宗(ハジョン)と美生(ミセン)

『世宗(セジョン)公は?』

『治療中ですが 大事には至りません』
『陛下は?』
『インガン殿の中でしょう すぐに見つかります
陛下が天に昇りますか?地に潜りますか? アッハッハッハ…』

ニコリともしないミシル

『インガン殿の秘密の通路に兵を配備しましたか?!』

『チルスク公が指揮しているのでご安心を』

そこへ 石品(ソクプム)が報告に来る

『ヨンチュン公が 陛下の許可がなければ動かないと どうしましょう』

『何だと?』
『無視して片づけてしまえ!』
『いいえ 待つように伝えて』
『はい』
『ヨンチュン公め!』

するとミシルが…

『私が陛下を迎えに行きます』

『はい?』
『美生(ミセン)は徳曼(トンマン)王女を迎えに』

連行されていく徳曼(トンマン)と春秋(チュンチュ)の様子を

遠くの方で竹方(チュクパン)と高島(コド)が見ている

『おい 何してるんだ!』

『兄貴 大男甫郎(テナムボラン)だ 拉致じゃないか?
どこも大騒ぎだ 拉致に違いない』
『どうするか考えないと』
『みんなは列仙(ヨルソン)閣だし どうしよう』
『どうすればいいんだ……』

竹方(チュクパン)の脳裏には いつかユシンが言った2人の特性が浮かんだ

「高島(コド)ほどの馬鹿力は見たことがない

比才(ピジェ)ではなく 狩りだと思え」
「はい」

※比才(ピジェ):腕比べ

「竹方(チュクパン) お前は頭がいい 悪知恵を働かせて戦え」

竹方(チュクパン)の中に ひらめくものがあった

静かに高島(コド)の手を取ると…

『お前ほどの馬鹿力は見たことがない』

『何だよ』
『救出作戦ではなく 狩りだと思え』
『何の話だよ?』

竹方(チュクパン)は 意を決して大男甫(テナムボ)の前に躍り出て

派手に転がり 騒ぎ出す

『あぁーっ!まったく! 何でこんな所に…』

痛がって騒ぎながら 高島(コド)に合図する

大男甫(テナムボ)が剣の鞘で小突く

『何なんだよ!あぁーっ イテテテ… これは王女様』

『何だ』
『大男甫郎(テナムボラン)もいましたか』

気を利かせて春秋(チュンチュ)が割り込んでくる

『大郎頭(テナンドゥ)の竹方(チュクパン)』

『はい!私が大郎頭(テナンドゥ)です』

※大郎頭(テナンドゥ):郎徒(ナンド)の6番目の等級

『大郎頭(テナンドゥ)と認めてくれるのは春秋(チュンチュ)公だけです』

『どけ!陛下にお会いする』
『そんな場合では!朝元(チョウォン)殿の前に異国人がいるんです』

※朝元(チョウォン)殿:外国の使節と接見する場所

竹方(チュクパン)が視線を引きつけながら 高島(コド)を急かす

大きな丸太を担いで近づく高島(コド)に まだ誰も気づいていない

『背が私の2倍もあるんです』

『何の話だ!』
『あ…あっちを見てください!ホントにビックリしますから!!!』

隙を見て丸太を振り回し近づく高島(コド)

しかし あちこちにぶつかり制御できない

『その丸太は何だ!』

『はい?』

力はあるものの 考えるのが苦手な高島(コド)は 帰ろうとする

『おい!』

収拾がつかない竹方(チュクパン)は これまでと観念して…

『それでは私が 背がどのくらい高いか確認を…』

…と 徳曼(トンマン)と春秋(チュンチュ)の間に割って入り

2人の手を引き 一目散に駆け出す…!!!
あとは高島(コド)が丸太を振り回し 大男甫(テナムボ)たちを引き止める

体を張って追手を食い止めた高島(コド)は捕らえられ

竹方(チュクパン)は 徳曼(トンマン)春秋(チュンチュ)と合流する

一方 秘密の通路を通り外に出た真平(チンピョン)王の一行は

出た途端 兵士に取り囲まれてしまう そしてミシルが…

『陛下 どうなさいました?』

『宮殿で… 何が起こっているのだ?』
『詳しく報告いたしますのでインガン殿へ… お連れして!』
『はい!』

真平(チンピョン)王 マヤ王妃 そして側近が連行されていく

それから少し経ち 中から昭火(ソファ)が出てきた
これが 昭火(ソファ)の考えた策だったのだ

睨み合いが続く列仙(ヨルソン)閣

閼川(アルチョン)がキム・ソヒョンに…

『上大等(サンデドゥン)を刺した犯人は?』

『一瞬のことで誰も見ていない』

ヨンチュン公とユシンも混じり 小声で相談する

『奴らの計略に違いない』
『捕まれば 反乱の嫌疑がかけられます 王女様が首謀者に!』

逃げているうちに 兵士たちの武器と防具の倉庫に入り込んだ3人

逃げながら竹方(チュクパン)から状況を聞きだす徳曼(トンマン)

『騒ぎの中で誰かが上大等(サンデドゥン)を刺したと?』

『自作自演でしょう』
『まさかそんな…自分で刺したってことですか?!』

春秋(チュンチュ)の見解に そこまでするかという表情の竹方(チュクパン)

『案件は王女様の件でした 濡れ衣を着せるためでしょう 反乱の首謀者だと』

『は…反乱の首謀者?!では逆賊?!!!陛下がいらっしゃるのに』
『インガン殿はすでにミシルが掌握したはず もう陛下は…
何としても宮殿を出なければ!』
『あちこちに兵がいます どうやって出るのです?』

徳曼(トンマン)は 以前偶然に通ったことのある秘密の通路を思い出す

『神殿から花祠堂(ファサダン)に抜けられる道がある』

※花祠堂(ファサダン):大功をたてた花郎(ファラン)の位牌を納める所

『しかし今は 神殿に近づくのも難しいはずです』

『何とかしないと』
『では王女様 こうしては?』
『どうすると?』

夫ソヒョン公の安否を気づかう万明(マンミョン)夫人は

月夜(ウォルヤ)と雪地(ソルチ)を呼び出した

『宮殿には入れない』

『何が起こったのです?宮殿に行かれた王女様と連絡がつきません』
『ソヒョン公は和白(ファベク)会議に行きました』

雪地(ソルチ)が進言する

『何とかして宮殿に入るべきでは?』

『いいえ 事態を把握するまでは軽率な行動はできません!』

ヨムジョンは 部下の報告を受ける

すでに縄をほどかれた毗曇(ピダム)も この事態に声を荒げる

『上大等(サンデドゥン)が刺されただと?!』

『列仙(ヨルソン)閣の前で刺されて生死は分からないと?』
『はい』
『王女様はどうなった?』
『王女様も陛下も分かりません 誰も出入りができないのです』
『何てことだ 一体どうなってるんだ …どうする?』
『助けなければ』
『おい ちょっと待てよ!!! 毗曇(ピダム)待ってくれ!!!』

その頃 真平(チンピョン)王をおとりにして逃げている昭火(ソファ)は…

目の前に突然チルスクが現れる

『昭火(ソファ)

『チルスク公 何が起きているのです? 皆大騒ぎで…』
『なぜ王女の所ではなくインガン殿の近くに?』
『…陛下にお薬をお持ちしたのですが 急に兵が来たので身を隠したのです
一体 何事ですか? チルスク公… 恐ろしいのです 宮殿から出してください』

精一杯の哀願を見せる昭火(ソファ)に チルスクは迷う

そこへ人の気配が近づき チルスクは昭火(ソファ)を連れてその場を離れた

『ここはどこですか?地下にこんな場所が?』

『セジュの隠れ家だ セジュ以外は誰も入れない 宮殿で最も安全な場所だ』
『外に行きたいのです 宮殿から出してください』
『今は 誰も出入りできない ここにいるのだ 今日はセジュも来ない
ところで 足にケガを?』
『はい? …ええ 逃げる途中でくじいたようです』
『ひどいのか?』
『い…いいえ 大丈夫です』
『では またあとで来る』

ケガをしたのではなかった

チルスクが行ってしまうと 昭火(ソファ)は裾をまくり
片方の足に縛り付けていた玉璽(ぎょくじ)の袋を取り出す
重い玉璽(ぎょくじ)のせいで足を引きずっていたのだ

おとりとなって連行された真平(チンピョン)王とマヤ王妃は インガン殿へ…

『陛下 なぜこのようなことが?

列仙(ヨルソン)閣で許しがたい事態が起きました!』
『大等(テドゥン)のヨンチュン公とソヒョン公 そして風月主(プンウォルチュ)
ユシンと侍衛府郎(シウィブリョン)閼川(アルチョン)が
武装して和白(ファベク)会議に乱入したうえ
上大等(サンデドゥン)の殺害を試みたのです』
『そうです これは政変ですぞ!』

マヤ王妃が ギロリと夏宗(ハジョン)を睨みつける

『政変とは何ですか』

『政変など起こるわけがない!何を申すか』
『ええ 陛下 まだ正確なことは分かりません』

やっと口を開いたミシルに視線を向ける真平(チンピョン)王

『それで?』

『上大等(サンデドゥン)が危害を加えられたのは事実です
風月主(プンウォルチュ)と侍衛府郎(シウィブリョン)が
乱入したのも事実です』
『だから何だ?』
『さらに会議の案件が 王女様のことだったのも事実です
ですから 事件の背後には王女様がいると思われています』
『それで!!! どうするというのだ』

王の剣幕に負けない気概で美生(ミセン)が…

『王女様と 武装して乱入した侍衛府郎(シウィブリョン)

そして風月主(プンウォルチュ)を捕らえます 真相を解明せねばなりません』
『何ですって?王女を捕らえるというのか!!!
だからインガン殿の前に多くの兵を配置しているのか!』
『い…いいえ王妃様 陛下と王妃様の安全のために配置したのです』
『いっそ剣を突きつければよい!』

激怒する王妃 真平(チンピョン)王は黙り込み ミシルが静かに話す

『陛下 どうかご許可を』

『許可しないと言ったら どうするのだ?』
『その時は 宮殿内をくまなく探します
陛下が隠された玉璽(ぎょくじ)を見つけなければ』

そこへ 大男甫(テナムボ)がうなだれて報告しに来る

『何だと?逃走しただと?!!!王女を逃がしたのか!!!』

『龍華香徒(ヨンファヒャンド)の郎徒(ナンド)が突然現れて…』

※郎徒(ナンド):花郎(ファラン)である主に仕える構成員

『ですが宮殿は出られないはずです』

『お前は何の役にも立たんな!』
『何ひとつまともにできない奴だ!まったく…』
『まずは 列仙(ヨルソン)閣の大等(テドゥン)と侍衛府(シウィブ)を
皆 捕えて監禁するのです』

侍衛府(シウィブ):近衛隊

『はい?陛下の許可もなく玉璽(ぎょくじ)もまだ見つかっていません』

『時間がありません 許可は後で取ります』
『き…許可は後で?』
『兵を総動員し 全員を捕らえ 玉璽(ぎょくじ)と王女を捜すのです!』
『は…はい!』

夏宗(ハジョン)と美生(ミセン)が出て行くと

ミシルは不機嫌につぶやく

『何ひとつ 簡単にいかない!』

石品(ソクプム)を先頭に待機している兵部(ピョンブ)に

美生(ミセン)から命令が下される

『列仙(ヨルソン)閣の前にいる者たちを捕らえろ』

『陛下のご許可が?』
『いいから行け!!!全員捕らえよ!!!』
『…はい』

石品(ソクプム)が小声でソルォンに報告するが 皆が聞き耳を立てている

『逮捕令です』

『許可が下りたか』
『それは…』

許可が下りていないのに捕らえよと命令が…

徳充(トクチュン)は 一瞬見えた光景を思い返している

(どういうことだ 騒ぎの中で見間違えたのか?)

様子がおかしい徳充(トクチュン)を気にする石品(ソクプム)

『どうした』

『いや… 何でもない』
『全員捕えよとの命令だ』
『陛下の命令か?』
『謀反人どもを捕らえよ!!!』

許可が下りていないことが知れ渡る前に ソルォンが檄を飛ばす

『陛下の許可は!!!』

『上大等(サンデドゥン)を殺害し
武装して和白(ファベク)会議に乱入した罪人だ 捕えよ!!!』
『許可の証拠を!!!』
『全員 捕らえよ!!!』
『お前たち!陛下の許可なく大等(テドゥン)を捕らえるのか!!!』
『かかれーーーっ!!!』

コメント

このブログの人気の投稿

善徳女王 62話(最終話)#1 明活(ミョンファル)山城 制圧!

善徳女王 57話#2 ユシンの策

善徳女王 59話#2 極楽浄土の仏