善徳女王 46話#1 拡大便殿会議 ミシル吠える!
『どうするつもりですか!!!』
『王女様が生きることが 我々の勝利です』
『いけません!』
『生きて私を助けに来てください』
『ユシン郎(ラン)…』
『毗曇(ピダム)王女様をお連れしろ!!!』
『王女様 行きましょう』
『ユシン郎(ラン)!!!ユシン郎(ラン)ダメです!!!門を開けて!!!』
半狂乱に叫び続ける徳曼(トンマン)
毗曇(ピダム)はそんな徳曼(トンマン)を馬に乗せ走った…!!!
ヨムジョンが春秋(チュンチュ)を
毗曇(ピダム)が徳曼(トンマン)を乗せ 宮殿を脱出する
キム・ユシンは 到底かなうわけもない無数の兵士たちを力の限りなぎ倒す
『何をしている!!!早く捕らえよ!!!』
現れたソルォンが命令するが 風月主(プンウォルチュ)ユシンに向かって
本気で立ち向かえる兵士はいなかった
ユシンが皆に向かって叫ぶ
『花郎(ファラン)たちよ聞け!!!
王女様は濡れ衣を着せられ宮殿を出られた!!!
列仙(ヨルソン)閣の一件は陰謀であり!王女様とは無関係だ!』
※花郎(ファラン):美しく文武両道に秀でた青年の精鋭集団
静まり返る兵士たち
ソルォンが冷たく言い放つ
『奴は謀反人だ 惑わされるな 陛下の命令だ 捕らえよ!!!』
『……』
『何をしておる!』
『…はい!』
宝宗(ポジョン) 大男甫(テナムボ) 朴義(パグィ)がユシンの前に…!
必死の抵抗虚しく ユシンは組み伏せられる
『徳曼(トンマン)王女を追え!!!』
『はい!!!』
その頃竹方(チュクパン)は 秘密の通路で偶然に寄りかかった壁が回転し
倒れ込むようにして壁の向こう側に出る
するとそこには 昭火(ソファ)が…!!!
『乳母殿…』
『…なぜ大郎頭(テナンドゥ)様がここに?あの壁は…』
※大郎頭(テナンドゥ):郎徒(ナンド)の6番目の等級
『乳母殿こそどうしてここに?ここはどこです?』
『ミシルの宮殿の地下です』
『これは驚いた… 地下にこんな部屋があるなんて それで陛下は?』
『……』
『ひとまずここを出ましょう』
『出られるんですか?』
『王女様によると 神殿と花祠堂(ファサダン)がつながっているとか
ミシルの宮殿ともつながっていたようですね』
※花祠堂(ファサダン):大功を立てた花郎(ファラン)の位牌を納める所
『では…』
『ここからも花祠堂(ファサダン)につながっているはず
花祠堂(ファサダン)まで行けば大丈夫です』
『ちょっと待って』
昭火(ソファ)は チルスクが来る前に見つけた書状を持ち出す
一方 ソルォンの報告を受け 激怒するミシルと美生(ミセン)
『何ですって?!王女とユシンに逃げられた?!』
『あれだけの兵と花郎(ファラン)がいて何をしていたのです
なぜ捕らえられぬのです!!!』
『セジュ 毗曇(ピダム)が現れました』
※セジュ:王の印を管理する役職
『毗曇(ピダム)ですと? 姉上なぜ奴が生きているのですか』
『……』
『おそらくヨムジョンが…』
『ヨムジョンに会って命令されたのでしょう?
なぜ毗曇(ピダム)が現れるのです!!!』
『遊山には出かけなかったようです』
『遊山?遊山ですって?!!!一体 何を言っているのです』
状況を把握できず苛立つ美生(ミセン)
ミシルは言葉を失っている
『ヨムジョンが裏切りました』
『何とかおっしゃってください 毗曇(ピダム)の始末を命じたはずでは?姉上!』
そこへ逆上して飛び込んでくる夏宗(ハジョン)
その後ろから チルスクと宝宗(ポジョン)が続く
『何てことだ!!!王女に逃げられたとはどういうことです!!!』
言葉を失っていたミシルが 何度も瞬きをして平静を取り戻す…
『私の落ち度です ですが 王女に逃げられただけのこと
今 宮殿にいるのはこのミシルです すべての権限は私にあります!
計画通り 次の段階へ進みます』
『では 明日の朝 拡大便殿会議を?!』
『ええ 夏宗(ハジョン)と美生(ミセン)は すべての臣僚を集めるように』
『承知いたしました』
ヨムジョンの根城に到着した4人は…
『長年 権力を握ったミシルも 王座を得るには事を荒立てるしかなかった
武力による政変しかなかったのだ
私は陛下の嫡子だから どんな場合でも正統性はこの私にあります
私自身が権力なのです』
『ええ だからユシン郎(ラン)も 王女様が生きることが我々の勝利だと』
『ならば…』
『ええ 今や時間は私の味方です』
ミシルは…
『問題は 時間が私の味方でないこと
早く徳曼(トンマン)を捕らえねば 新羅(シルラ)に二重権力が生じます』
※新羅(シルラ):朝鮮半島南東部から発展し 後に三国を統一
『ソルォン公とチルスクは 必ずや王女を捕らえるのです
徳曼(トンマン)が勢力を築き 二重権力の状態となる前に殺さなくては』
ヨムジョンが徳曼(トンマン)に…
『ならば 身を隠すべきでは?』
『勢力を築くためにも できるだけ遠い安全な場所へ逃げるべきです』
ヨムジョンと春秋(チュンチュ)の意見を聞き…
『毗曇(ピダム)はどう思う?』
徳曼(トンマン)を見て 毗曇(ピダム)はただ首を横に振る
『逃げるのは私も反対だ
ユシン郎(ラン)の考え通り 私が宮殿を脱してこそ我々が勝利できるのだ』
『ええ 今頃ミシルは焦っているはず』
『ミシルは自作自演で名分を作り 私を逆賊に仕立て宮殿を掌握した』
『必ず王女様を捕らえ 一気に事を進める必要がありました』
『だが私を取り逃がし そうできぬ状況に陥った 私は時を味方につけた』
『それは分かりますが だからこそ手段を問わず王女様を捕らえようとします
今は 敵の攻撃を免れなければ』
徳曼(トンマン)は じっと春秋(チュンチュ)を見つめた
『逃げ場はない
それに私は逃げたくない ミシルと決着をつける
今 ここ徐羅伐(ソラボル)で 私に力を』
※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)
ミシルは…
『ソルォン公は 上大等(サンデドゥン)の殺害を謀ったと
捕らえた連中に認めさせよ 認めぬ場合は始末するのです』
『はい』
※上大等(サンデドゥン):新羅(シルラ)の最高官職 現在の国務総理
『ユシンらは 徳曼(トンマン)の居所を知っている可能性が高い
何としても聞き出すように』
『はい』
『チルスクは 毗曇(ピダム)の部下を取り調べ 徳曼(トンマン)の捜索を』
『承知いたしました』
『それから徐羅伐(ソラボル)全域に
陛下の名で徳曼(トンマン)王女の逮捕令を出します
しかし徳曼(トンマン)には 捕らえる過程で… 死んでもらう』
『……』
『……』
『国法に背き 逮捕に抵抗して死亡 それが… 徳曼(トンマン)の最期です』
サンタクがチルスクに報告する
『全員 牢に入れました』
『指示通りに進めろ』
『はい』
チルスクは 辺りの様子を窺い昭火(ソファ)のもとへ
しかし 昭火(ソファ)の姿が消えていることに気づき 憤る…!
刑場では 石品(ソクプム)の指揮で拷問が始まっていた
血まみれの高島(コド) 大風(テプン) 谷使欣(コクサフン)たち
『命が惜しくば白状せよ 王女の命令だと』
『助けてください!お願いです!』
泣き叫ぶ高島(コド)の胸ぐらを掴む石品(ソクプム)
『お前らは侍衛府(シウィブ)だろ
王女の命令で上大等(サンデドゥン)の殺害を謀ったな!!!』
※侍衛府(シウィブ):近衛隊
『違います』
『そんな命令は受けていません』
『私たちはただ 列仙(ヨルソン)閣をふさいでいたので…』
『いっそ殺してください!!!』
『黙れーーーっ! よかろう いつまで言い逃れできるか試してやる』
石品(ソクプム)の合図で 真っ赤に燃えた焼きごてを掴む兵士
高島(コド)が恐れおののいて泣き叫ぶ
『やめてください!!!どうかお助けを!!!あぁーーーっ!!!』
屋内の拷問部屋では ユシンと閼川(アルチョン)が吊るされている
目の前にはソルォンが…
『こんなことで我々が屈するとでも?』
『ソルォン公 あなたも花郎(ファラン)に貢献してきた方です
なぜこのような卑劣な真似を!』
『フッフッフ… 卑劣な手を使ったことは認める
だが お前たちも主を王にしたいのだろう? これは覇業だ
道徳や名分など気にしていられるか』
ユシンは ソルォンを見据えて訴える
『私は違う 私には民と国のため進むべき道がある!』
『ふふん…そうか』
ソルォンの合図で ユシンではなく閼川(アルチョン)に焼きごてが…
熱さと痛みで 閼川(アルチョン)は気絶する
『何というひどい真似を!!!』
『王女の行く先を言え 言わねばこのまま閼川郎(アルチョンラン)が死ぬぞ』
『うわぁーーーっ!!!』
『もうやめろ やめるんだ やめてくれ!!!いっそ私を殺せばいい やめろ!』
一方夏宗(ハジョン)は ヨンチュン公とキム・ソヒョンを拷問していた
『まったくお2人とも愚かですね まったく… いいですかヨンチュン公
陛下も王女を捕らえるよう おっしゃったのです あがいても無駄だ』
『お前たちが陛下を脅し そう言わせたのだろう』
『頑固な人だな ではソヒョン公 私だって愛する娘が夫を失うのは見たくない
あなたが折れないとユシン郎(ラン)が死ぬんです うちの娘婿が!』
『貴様!その口を閉じよ!!!』
『またそういう態度を!!!簡単な事じゃありませんか
皆の前で “私は王女様の命令に従っただけ 利用された” そう言えばいい』
『貴様は獣以下だな』
『まったく頑固な人たちだ!ソヒョン公や娘婿が死んでも私は知りませんからね
2人とも融通が利かないんだから!』
手当てを受け 起き上がれるようになった世宗(セジョン)のもとへ
ヨンモとともに万明(マンミョン)夫人が訪れ 談判している
『どうかお願いです あんまりですわ 私たちは親類ではありませんか!』
『ユシン様をお助け下さい!
陰謀を企てる人ではないのはお分かりでしょう』
涙ながらに訴えるヨンモ
『ソヒョン公 ユシン郎(ラン) ヨンチュン公 閼川郎(アルチョンラン)
皆が死ぬ必要はない 徳曼(トンマン)王女1人で十分です』
『世宗(セジョン)公』
『皆を助けたくば万明(マンミョン)夫人 そしてヨンモ
ユシン郎(ラン)とソヒョン公を説得することです よいな お分かりですね』
気を失っている閼川(アルチョン)に呼びかけるユシン
『閼川郎(アルチョンラン)… 閼川(アルチョン) 死んではならん!死ぬな!
しっかりしろ!閼川郎(アルチョンラン)!!!しっかりするんだ!』
誰一人として口を割ろうとしない状況で チルスクがソルォンに…
『拷問や懐柔は無駄です』
『……』
そこへサンタクが…
『指示しておきました』
『よく様子を窺い 経過を報告せよ』
『承知いたしました』
徳曼(トンマン)の言葉に毗曇(ピダム)が…
『あの危険な場所へ自ら行かれると?!』
『お前が私を守れ ヨムジョンは春秋(チュンチュ)を守るのだ よいな』
『はい 王女様』
徳曼(トンマン)は 春秋(チュンチュ)に言い聞かせるように話す
『私たちが動かなければ 王室は守れない
そなたの考えとは違うが 死ぬ覚悟で動かねばならない』
『はい 分かりました』
『ミシルが何より恐れているのは 我々が動くことだ
今夜 できるだけ多くの者を動員し 計画を実行せよ』
ワンニュンの屋敷に 矢文が射られた
『何事だ!』
『父上』
その文面を見て驚く父子
“私は陛下の唯一の嫡子 徳曼(トンマン)だ
新羅(シルラ)のすべての臣下たちに告ぐ
政変を起こして陛下を軟禁し 玉璽(ぎょくじ)を奪ったセジュミシルを捕らえよ”
林宗(イムジョン)の屋敷にも ソニョルの屋敷にも
徳充(トクチュン)の屋敷にも… 同じ矢文が射られた
そして徳曼(トンマン)は 毗曇(ピダム)を伴いチュジン公のもとへ…!
『王女様 一体何を…』
『ミシルとどんな取引を?』
『外に5000の精鋭兵がいます 私が声を上げればお2人とも殺されますよ』
『ええ あなたの首を撥ねた後にね』
『……』
『ミシルに協力した見返りは何です』
『……』
毗曇(ピダム)がチュジン公ののど元の剣を突き上げる
『上州(サンジュ)にある1万束の土地と 大等(テドゥン)の座です』
『ミシルを王にする見返りがその程度とは』
チュジン公は意外な表情で徳曼(トンマン)を見る
『ミシルが王に?』
『ええ そうです ミシルは王になる気です もっと多くを要求すべきです』
『……』
『私がミシルなら より多くのものを与えました そうすべきだと思います
ミシルのために最も多くの精鋭兵を動かしたのですから
もっと多くの見返りを要求すべきです
もしミシルが応じないなら 私にも取引する機会をください』
考え込むチュジン公に毗曇(ピダム)が…
『王女様は話の分かるお方だ』
毗曇(ピダム)が剣の柄で一突きすると チュジン公は気を失い
徳曼(トンマン)と毗曇(ピダム)はその場から立ち去った
無事に戻ると毗曇(ピダム)が…
『なぜ自ら あのような危険な真似を?』
『チヌン大帝は 虎に噛まれたことが
その時 腕を引き抜こうとせず より深く口に押し込んだそうだ』
『腕がちぎれないように 息の根を止めたのですね』
『私は今 同じ状況にある
ミシルの息の根を止めるまで この腕をより深く奥へ押し込まねば』
『……』
『月夜(ウォルヤ)が復耶会の砦にいる 密に連絡を取れ
早急にユシン郎(ラン)と閼川郎(アルチョンラン)の救出作戦を練るのだ
砦には 春秋(チュンチュ)も連れて行け』
『なぜです?』
『春秋(チュンチュ)と私 どちらかだけでも… 生き延びねば』
『…承知いたしました』
毗曇(ピダム)はそこに 徳曼(トンマン)の覚悟のほどを見た
翌朝 宮殿に集まる臣僚たち
便殿会議を前に ミシルはインガン殿で真平(チンピョン)王の前にいた
自ら書き 自らが玉璽(ぎょくじ)を押印し 真平(チンピョン)王の前に置く
憎しみを込めて マヤ王妃がミシルを睨みつける
『我々を殺せ!』
『今は まだ殺しません』
『何が望みだ』
『その座です』
『……フッハッハ… 今さらか?』
『……』
『今さら王座を得ようと?
もっと早くお前がそうしていれば 徳曼(トンマン)を手離さずに済んだ
天明(チョンミョン)も死ななかった お前も息子を捨てなかったはずだ
それなのに今になって王座を望むとは…』
『……』
『遅すぎるとは思わんか』
『ええ そうかもしれません』
『お前は夢を見なかった
なのに今になって他人の夢を奪うのか うっ ごほっ…!』
『陛下!』
荒々しく真平(チンピョン)王の前から書簡を奪い取るミシル
『仕方ありません その夢を何より手にしたいのです 女王という夢を』
臣僚たちがそろった便殿に ミシルが現れる
『ヨンチュン ソヒョン 閼川(アルチョン) ユシンを取り調べた結果
上大等(サンデドゥン)襲撃の黒幕は 徳曼(トンマン)王女でした』
昨夜の矢文で これからミシルが言うことが嘘だと 皆が知っていた
『そして陛下は 王女を神国の根幹を揺るがす逆賊であると…』
※神国:新羅(シルラ)の別称
『ゆえに 徳曼(トンマン)王女の捜索に尽力し
朝廷内の逆賊をすべて排除するようにと仰せです
よって ただ今より衛国府(ウィグクフ)を設置いたします』
※衛国府(ウィグクフ):国家の非常事態対策機構
『ウ…衛国府(ウィグクフ)ですと?』
『衛国府(ウィグクフ)は上大等(サンデドゥン)世宗(セジョン)と
兵部令(ピョンブリョン)ソルォン セジュミシル3名で構成されます
陛下の直属機関として和白(ファベク)会議より上位の機関です』
※兵部令(ピョンブリョン):新羅(シルラ)の軍の長官
※和白(ファベク)会議:新羅(シルラ)の貴族会議
『衛国府(ウィグクフ)は逆賊の調査と神国を脅かす者たちへの処罰を担います
陛下がご病気ゆえ 衛国府令(ウィグクフリョン)は
全権限を委任されたこの私が務めます』
※衛国府令(ウィグクフリョン);衛国府(ウィグクフ)の責任者
チュジン公は 昨夜の徳曼(トンマン)の言葉を思い返していた
「ミシルは王になる気です」
臣僚たちは考える
(すべて ミシルが仕組んだことなのか)
『よいですかな』
1人の臣僚が前に進み出た
『1つだけ確認したいことが』
『何でしょうか』
『では申し上げます』
『どうぞ』
『陛下のご病気は どれほど重いのですか
陛下が直接命令を下されたか確認したいのです』
ミシルの目がキラリと輝き 満面に笑みがこぼれる
『どうぞ お話を続けてください』
『玉璽(ぎょくじ)の押された勅書があるとはいえ
徳曼(トンマン)王女は陛下の唯一の嫡子であり 聖骨(ソンゴル)です』
※聖骨(ソンゴル):父母共に王族である新羅(シルラ)の身分制度の最高位
ミシルの眉がピクリと動き 視線が合った宝宗(ポジョン)がうなずいた
一瞬にして宝宗(ポジョン)の剣が 進言した臣僚を斬り殺す…!
ざわめく場内だが それ以上言葉を発する者はいなかった
ゆっくりと移動し ミシルは玉座に深々と腰を下ろす
かすかな声で 悲鳴にも似た叫び声を漏らす臣僚たち
王位を継承したわけでもないミシルが玉座に…!
『少々気が立っておりますゆえ 言葉が乱れますがご容赦を…
今までお前たちが何をした!
お前たちが私腹を肥やし!利権に群がる間!
このミシルは チヌン大帝!真智(チンジ)王!そして今の王を支え!
この神国を率いてきた!!!
陛下の血縁や聖骨(ソンゴル)が何だというのだ!!!
この国を守ってきたのはそんなものではない! このミシルだ!!!
私が全身全霊で神国を守ってきた!!!
異を唱える者がいればこの場で申し出よ!!!
そうでなければ今後 血統や聖骨(ソンゴル)について
二度と口にしないのが賢明であろう!!!!!』
『王女様が生きることが 我々の勝利です』
『いけません!』
『生きて私を助けに来てください』
『ユシン郎(ラン)…』
『毗曇(ピダム)王女様をお連れしろ!!!』
『王女様 行きましょう』
『ユシン郎(ラン)!!!ユシン郎(ラン)ダメです!!!門を開けて!!!』
半狂乱に叫び続ける徳曼(トンマン)
毗曇(ピダム)はそんな徳曼(トンマン)を馬に乗せ走った…!!!
ヨムジョンが春秋(チュンチュ)を
毗曇(ピダム)が徳曼(トンマン)を乗せ 宮殿を脱出する
キム・ユシンは 到底かなうわけもない無数の兵士たちを力の限りなぎ倒す
『何をしている!!!早く捕らえよ!!!』
現れたソルォンが命令するが 風月主(プンウォルチュ)ユシンに向かって
本気で立ち向かえる兵士はいなかった
ユシンが皆に向かって叫ぶ
『花郎(ファラン)たちよ聞け!!!
王女様は濡れ衣を着せられ宮殿を出られた!!!
列仙(ヨルソン)閣の一件は陰謀であり!王女様とは無関係だ!』
※花郎(ファラン):美しく文武両道に秀でた青年の精鋭集団
静まり返る兵士たち
ソルォンが冷たく言い放つ
『奴は謀反人だ 惑わされるな 陛下の命令だ 捕らえよ!!!』
『……』
『何をしておる!』
『…はい!』
宝宗(ポジョン) 大男甫(テナムボ) 朴義(パグィ)がユシンの前に…!
必死の抵抗虚しく ユシンは組み伏せられる
『徳曼(トンマン)王女を追え!!!』
『はい!!!』
その頃竹方(チュクパン)は 秘密の通路で偶然に寄りかかった壁が回転し
倒れ込むようにして壁の向こう側に出る
するとそこには 昭火(ソファ)が…!!!
『乳母殿…』
『…なぜ大郎頭(テナンドゥ)様がここに?あの壁は…』
※大郎頭(テナンドゥ):郎徒(ナンド)の6番目の等級
『乳母殿こそどうしてここに?ここはどこです?』
『ミシルの宮殿の地下です』
『これは驚いた… 地下にこんな部屋があるなんて それで陛下は?』
『……』
『ひとまずここを出ましょう』
『出られるんですか?』
『王女様によると 神殿と花祠堂(ファサダン)がつながっているとか
ミシルの宮殿ともつながっていたようですね』
※花祠堂(ファサダン):大功を立てた花郎(ファラン)の位牌を納める所
『では…』
『ここからも花祠堂(ファサダン)につながっているはず
花祠堂(ファサダン)まで行けば大丈夫です』
『ちょっと待って』
昭火(ソファ)は チルスクが来る前に見つけた書状を持ち出す
一方 ソルォンの報告を受け 激怒するミシルと美生(ミセン)
『何ですって?!王女とユシンに逃げられた?!』
『あれだけの兵と花郎(ファラン)がいて何をしていたのです
なぜ捕らえられぬのです!!!』
『セジュ 毗曇(ピダム)が現れました』
※セジュ:王の印を管理する役職
『毗曇(ピダム)ですと? 姉上なぜ奴が生きているのですか』
『……』
『おそらくヨムジョンが…』
『ヨムジョンに会って命令されたのでしょう?
なぜ毗曇(ピダム)が現れるのです!!!』
『遊山には出かけなかったようです』
『遊山?遊山ですって?!!!一体 何を言っているのです』
状況を把握できず苛立つ美生(ミセン)
ミシルは言葉を失っている
『ヨムジョンが裏切りました』
『何とかおっしゃってください 毗曇(ピダム)の始末を命じたはずでは?姉上!』
そこへ逆上して飛び込んでくる夏宗(ハジョン)
その後ろから チルスクと宝宗(ポジョン)が続く
『何てことだ!!!王女に逃げられたとはどういうことです!!!』
言葉を失っていたミシルが 何度も瞬きをして平静を取り戻す…
『私の落ち度です ですが 王女に逃げられただけのこと
今 宮殿にいるのはこのミシルです すべての権限は私にあります!
計画通り 次の段階へ進みます』
『では 明日の朝 拡大便殿会議を?!』
『ええ 夏宗(ハジョン)と美生(ミセン)は すべての臣僚を集めるように』
『承知いたしました』
ヨムジョンの根城に到着した4人は…
『長年 権力を握ったミシルも 王座を得るには事を荒立てるしかなかった
武力による政変しかなかったのだ
私は陛下の嫡子だから どんな場合でも正統性はこの私にあります
私自身が権力なのです』
『ええ だからユシン郎(ラン)も 王女様が生きることが我々の勝利だと』
『ならば…』
『ええ 今や時間は私の味方です』
ミシルは…
『問題は 時間が私の味方でないこと
早く徳曼(トンマン)を捕らえねば 新羅(シルラ)に二重権力が生じます』
※新羅(シルラ):朝鮮半島南東部から発展し 後に三国を統一
『ソルォン公とチルスクは 必ずや王女を捕らえるのです
徳曼(トンマン)が勢力を築き 二重権力の状態となる前に殺さなくては』
ヨムジョンが徳曼(トンマン)に…
『ならば 身を隠すべきでは?』
『勢力を築くためにも できるだけ遠い安全な場所へ逃げるべきです』
ヨムジョンと春秋(チュンチュ)の意見を聞き…
『毗曇(ピダム)はどう思う?』
徳曼(トンマン)を見て 毗曇(ピダム)はただ首を横に振る
『逃げるのは私も反対だ
ユシン郎(ラン)の考え通り 私が宮殿を脱してこそ我々が勝利できるのだ』
『ええ 今頃ミシルは焦っているはず』
『ミシルは自作自演で名分を作り 私を逆賊に仕立て宮殿を掌握した』
『必ず王女様を捕らえ 一気に事を進める必要がありました』
『だが私を取り逃がし そうできぬ状況に陥った 私は時を味方につけた』
『それは分かりますが だからこそ手段を問わず王女様を捕らえようとします
今は 敵の攻撃を免れなければ』
徳曼(トンマン)は じっと春秋(チュンチュ)を見つめた
『逃げ場はない
それに私は逃げたくない ミシルと決着をつける
今 ここ徐羅伐(ソラボル)で 私に力を』
※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)
ミシルは…
『ソルォン公は 上大等(サンデドゥン)の殺害を謀ったと
捕らえた連中に認めさせよ 認めぬ場合は始末するのです』
『はい』
※上大等(サンデドゥン):新羅(シルラ)の最高官職 現在の国務総理
『ユシンらは 徳曼(トンマン)の居所を知っている可能性が高い
何としても聞き出すように』
『はい』
『チルスクは 毗曇(ピダム)の部下を取り調べ 徳曼(トンマン)の捜索を』
『承知いたしました』
『それから徐羅伐(ソラボル)全域に
陛下の名で徳曼(トンマン)王女の逮捕令を出します
しかし徳曼(トンマン)には 捕らえる過程で… 死んでもらう』
『……』
『……』
『国法に背き 逮捕に抵抗して死亡 それが… 徳曼(トンマン)の最期です』
サンタクがチルスクに報告する
『全員 牢に入れました』
『指示通りに進めろ』
『はい』
チルスクは 辺りの様子を窺い昭火(ソファ)のもとへ
しかし 昭火(ソファ)の姿が消えていることに気づき 憤る…!
刑場では 石品(ソクプム)の指揮で拷問が始まっていた
血まみれの高島(コド) 大風(テプン) 谷使欣(コクサフン)たち
『命が惜しくば白状せよ 王女の命令だと』
『助けてください!お願いです!』
泣き叫ぶ高島(コド)の胸ぐらを掴む石品(ソクプム)
『お前らは侍衛府(シウィブ)だろ
王女の命令で上大等(サンデドゥン)の殺害を謀ったな!!!』
※侍衛府(シウィブ):近衛隊
『違います』
『そんな命令は受けていません』
『私たちはただ 列仙(ヨルソン)閣をふさいでいたので…』
『いっそ殺してください!!!』
『黙れーーーっ! よかろう いつまで言い逃れできるか試してやる』
石品(ソクプム)の合図で 真っ赤に燃えた焼きごてを掴む兵士
高島(コド)が恐れおののいて泣き叫ぶ
『やめてください!!!どうかお助けを!!!あぁーーーっ!!!』
屋内の拷問部屋では ユシンと閼川(アルチョン)が吊るされている
目の前にはソルォンが…
『こんなことで我々が屈するとでも?』
『ソルォン公 あなたも花郎(ファラン)に貢献してきた方です
なぜこのような卑劣な真似を!』
『フッフッフ… 卑劣な手を使ったことは認める
だが お前たちも主を王にしたいのだろう? これは覇業だ
道徳や名分など気にしていられるか』
ユシンは ソルォンを見据えて訴える
『私は違う 私には民と国のため進むべき道がある!』
『ふふん…そうか』
ソルォンの合図で ユシンではなく閼川(アルチョン)に焼きごてが…
熱さと痛みで 閼川(アルチョン)は気絶する
『何というひどい真似を!!!』
『王女の行く先を言え 言わねばこのまま閼川郎(アルチョンラン)が死ぬぞ』
『うわぁーーーっ!!!』
『もうやめろ やめるんだ やめてくれ!!!いっそ私を殺せばいい やめろ!』
一方夏宗(ハジョン)は ヨンチュン公とキム・ソヒョンを拷問していた
『まったくお2人とも愚かですね まったく… いいですかヨンチュン公
陛下も王女を捕らえるよう おっしゃったのです あがいても無駄だ』
『お前たちが陛下を脅し そう言わせたのだろう』
『頑固な人だな ではソヒョン公 私だって愛する娘が夫を失うのは見たくない
あなたが折れないとユシン郎(ラン)が死ぬんです うちの娘婿が!』
『貴様!その口を閉じよ!!!』
『またそういう態度を!!!簡単な事じゃありませんか
皆の前で “私は王女様の命令に従っただけ 利用された” そう言えばいい』
『貴様は獣以下だな』
『まったく頑固な人たちだ!ソヒョン公や娘婿が死んでも私は知りませんからね
2人とも融通が利かないんだから!』
手当てを受け 起き上がれるようになった世宗(セジョン)のもとへ
ヨンモとともに万明(マンミョン)夫人が訪れ 談判している
『どうかお願いです あんまりですわ 私たちは親類ではありませんか!』
『ユシン様をお助け下さい!
陰謀を企てる人ではないのはお分かりでしょう』
涙ながらに訴えるヨンモ
『ソヒョン公 ユシン郎(ラン) ヨンチュン公 閼川郎(アルチョンラン)
皆が死ぬ必要はない 徳曼(トンマン)王女1人で十分です』
『世宗(セジョン)公』
『皆を助けたくば万明(マンミョン)夫人 そしてヨンモ
ユシン郎(ラン)とソヒョン公を説得することです よいな お分かりですね』
気を失っている閼川(アルチョン)に呼びかけるユシン
『閼川郎(アルチョンラン)… 閼川(アルチョン) 死んではならん!死ぬな!
しっかりしろ!閼川郎(アルチョンラン)!!!しっかりするんだ!』
誰一人として口を割ろうとしない状況で チルスクがソルォンに…
『拷問や懐柔は無駄です』
『……』
そこへサンタクが…
『指示しておきました』
『よく様子を窺い 経過を報告せよ』
『承知いたしました』
徳曼(トンマン)の言葉に毗曇(ピダム)が…
『あの危険な場所へ自ら行かれると?!』
『お前が私を守れ ヨムジョンは春秋(チュンチュ)を守るのだ よいな』
『はい 王女様』
徳曼(トンマン)は 春秋(チュンチュ)に言い聞かせるように話す
『私たちが動かなければ 王室は守れない
そなたの考えとは違うが 死ぬ覚悟で動かねばならない』
『はい 分かりました』
『ミシルが何より恐れているのは 我々が動くことだ
今夜 できるだけ多くの者を動員し 計画を実行せよ』
ワンニュンの屋敷に 矢文が射られた
『何事だ!』
『父上』
その文面を見て驚く父子
“私は陛下の唯一の嫡子 徳曼(トンマン)だ
新羅(シルラ)のすべての臣下たちに告ぐ
政変を起こして陛下を軟禁し 玉璽(ぎょくじ)を奪ったセジュミシルを捕らえよ”
林宗(イムジョン)の屋敷にも ソニョルの屋敷にも
徳充(トクチュン)の屋敷にも… 同じ矢文が射られた
そして徳曼(トンマン)は 毗曇(ピダム)を伴いチュジン公のもとへ…!
『王女様 一体何を…』
『ミシルとどんな取引を?』
『外に5000の精鋭兵がいます 私が声を上げればお2人とも殺されますよ』
『ええ あなたの首を撥ねた後にね』
『……』
『ミシルに協力した見返りは何です』
『……』
毗曇(ピダム)がチュジン公ののど元の剣を突き上げる
『上州(サンジュ)にある1万束の土地と 大等(テドゥン)の座です』
『ミシルを王にする見返りがその程度とは』
チュジン公は意外な表情で徳曼(トンマン)を見る
『ミシルが王に?』
『ええ そうです ミシルは王になる気です もっと多くを要求すべきです』
『……』
『私がミシルなら より多くのものを与えました そうすべきだと思います
ミシルのために最も多くの精鋭兵を動かしたのですから
もっと多くの見返りを要求すべきです
もしミシルが応じないなら 私にも取引する機会をください』
考え込むチュジン公に毗曇(ピダム)が…
『王女様は話の分かるお方だ』
毗曇(ピダム)が剣の柄で一突きすると チュジン公は気を失い
徳曼(トンマン)と毗曇(ピダム)はその場から立ち去った
無事に戻ると毗曇(ピダム)が…
『なぜ自ら あのような危険な真似を?』
『チヌン大帝は 虎に噛まれたことが
その時 腕を引き抜こうとせず より深く口に押し込んだそうだ』
『腕がちぎれないように 息の根を止めたのですね』
『私は今 同じ状況にある
ミシルの息の根を止めるまで この腕をより深く奥へ押し込まねば』
『……』
『月夜(ウォルヤ)が復耶会の砦にいる 密に連絡を取れ
早急にユシン郎(ラン)と閼川郎(アルチョンラン)の救出作戦を練るのだ
砦には 春秋(チュンチュ)も連れて行け』
『なぜです?』
『春秋(チュンチュ)と私 どちらかだけでも… 生き延びねば』
『…承知いたしました』
毗曇(ピダム)はそこに 徳曼(トンマン)の覚悟のほどを見た
翌朝 宮殿に集まる臣僚たち
便殿会議を前に ミシルはインガン殿で真平(チンピョン)王の前にいた
自ら書き 自らが玉璽(ぎょくじ)を押印し 真平(チンピョン)王の前に置く
憎しみを込めて マヤ王妃がミシルを睨みつける
『我々を殺せ!』
『今は まだ殺しません』
『何が望みだ』
『その座です』
『……フッハッハ… 今さらか?』
『……』
『今さら王座を得ようと?
もっと早くお前がそうしていれば 徳曼(トンマン)を手離さずに済んだ
天明(チョンミョン)も死ななかった お前も息子を捨てなかったはずだ
それなのに今になって王座を望むとは…』
『……』
『遅すぎるとは思わんか』
『ええ そうかもしれません』
『お前は夢を見なかった
なのに今になって他人の夢を奪うのか うっ ごほっ…!』
『陛下!』
荒々しく真平(チンピョン)王の前から書簡を奪い取るミシル
『仕方ありません その夢を何より手にしたいのです 女王という夢を』
臣僚たちがそろった便殿に ミシルが現れる
『ヨンチュン ソヒョン 閼川(アルチョン) ユシンを取り調べた結果
上大等(サンデドゥン)襲撃の黒幕は 徳曼(トンマン)王女でした』
昨夜の矢文で これからミシルが言うことが嘘だと 皆が知っていた
『そして陛下は 王女を神国の根幹を揺るがす逆賊であると…』
※神国:新羅(シルラ)の別称
『ゆえに 徳曼(トンマン)王女の捜索に尽力し
朝廷内の逆賊をすべて排除するようにと仰せです
よって ただ今より衛国府(ウィグクフ)を設置いたします』
※衛国府(ウィグクフ):国家の非常事態対策機構
『ウ…衛国府(ウィグクフ)ですと?』
『衛国府(ウィグクフ)は上大等(サンデドゥン)世宗(セジョン)と
兵部令(ピョンブリョン)ソルォン セジュミシル3名で構成されます
陛下の直属機関として和白(ファベク)会議より上位の機関です』
※兵部令(ピョンブリョン):新羅(シルラ)の軍の長官
※和白(ファベク)会議:新羅(シルラ)の貴族会議
『衛国府(ウィグクフ)は逆賊の調査と神国を脅かす者たちへの処罰を担います
陛下がご病気ゆえ 衛国府令(ウィグクフリョン)は
全権限を委任されたこの私が務めます』
※衛国府令(ウィグクフリョン);衛国府(ウィグクフ)の責任者
チュジン公は 昨夜の徳曼(トンマン)の言葉を思い返していた
「ミシルは王になる気です」
臣僚たちは考える
(すべて ミシルが仕組んだことなのか)
『よいですかな』
1人の臣僚が前に進み出た
『1つだけ確認したいことが』
『何でしょうか』
『では申し上げます』
『どうぞ』
『陛下のご病気は どれほど重いのですか
陛下が直接命令を下されたか確認したいのです』
ミシルの目がキラリと輝き 満面に笑みがこぼれる
『どうぞ お話を続けてください』
『玉璽(ぎょくじ)の押された勅書があるとはいえ
徳曼(トンマン)王女は陛下の唯一の嫡子であり 聖骨(ソンゴル)です』
※聖骨(ソンゴル):父母共に王族である新羅(シルラ)の身分制度の最高位
ミシルの眉がピクリと動き 視線が合った宝宗(ポジョン)がうなずいた
一瞬にして宝宗(ポジョン)の剣が 進言した臣僚を斬り殺す…!
ざわめく場内だが それ以上言葉を発する者はいなかった
ゆっくりと移動し ミシルは玉座に深々と腰を下ろす
かすかな声で 悲鳴にも似た叫び声を漏らす臣僚たち
王位を継承したわけでもないミシルが玉座に…!
『少々気が立っておりますゆえ 言葉が乱れますがご容赦を…
今までお前たちが何をした!
お前たちが私腹を肥やし!利権に群がる間!
このミシルは チヌン大帝!真智(チンジ)王!そして今の王を支え!
この神国を率いてきた!!!
陛下の血縁や聖骨(ソンゴル)が何だというのだ!!!
この国を守ってきたのはそんなものではない! このミシルだ!!!
私が全身全霊で神国を守ってきた!!!
異を唱える者がいればこの場で申し出よ!!!
そうでなければ今後 血統や聖骨(ソンゴル)について
二度と口にしないのが賢明であろう!!!!!』
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