善徳女王 48話#2 神国を救え!
徳曼(トンマン)は 宮殿内の自室でじっと“その時”を待っていた
ミシルもまた 自らが命じたとおりに事が運ぶことを確信して待つ
ソルォンは 兵部(ピョンブ)の兵を前に計画を説明する
『北門と東門に1隊ずつ配置する ネズミ1匹も通すでないぞ!』
『はい!!!』
『怪しい者がいれば報告しろ
城の周辺を守り 予想外の事態に備えるのだ』
復耶会の砦では矢の1本1本に 赤い布をつける作業が行われている
布には “花郎(ファラン)たちは義に従え” と書かれている
チュジン公の屋敷に サンタクが書状をもって現れる
『公開尋問は 明日の巳の刻です』
『そうか 分かった 下がれ』
『それでは明日 武芸道場へ』
※巳の刻:午前9時~11時
虎才(ホジェ)の屋敷にも 同様の書状が届いていた
『父上 公開尋問は明日の巳の刻です』
『くぅ…!』
虎才(ホジェ)は 昨夜のキム・ユシンの言葉を思い返す
「当日は 私兵の帰属令が出されるはず 逆らえば殺されるでしょう」
息子から事態を聞いている父は動揺する
『本当にミシルセジュが政変を起こすと?』
『はい…』
チュジン公も 迷いに迷っていた
『父上 どうなさるのです』
『ミシルに全兵力を奪われて生きていくべきか
それとも 軍を率いて春秋(チュンチュ)公のもとへ?』
深いため息をつくチュジン公だった
キム・ユシンは 最後の詰めとしてそれぞれの動きを確認する
『世宗(セジョン)公と美生(ミセン)の私兵を
徐羅伐(ソラボル)の外郭に止めておけ』
『分かった』
春秋(チュンチュ)もまた あらゆる事態を考慮する
『チュジン公であれ誰であれ兵を率いて来たら
宮殿へ進撃します それまでは…』
『私は宮殿で任務の遂行を 準備済みです』
『王女様の計画通りに進むことを祈ろう』
ミシルのもとに ソルォンが現れる
『準備が整いました』
『チュジン公は?』
『石品(ソクプム)に任せ 信用できる者たちをつけました』
『少しの落ち度もあってはなりません』
『もちろんです』
いつになく沈んでいるように見えるミシルを気づかうソルォン
『セジュ どうなさいました?』
『……ここまで来るのに 時間をかけ過ぎました』
『ご自身の居場所を見つけたのでしょう』
『居場所?私の居場所?』
『明日 神国の歴史が塗り替えられるのです』
『ええ 明日です 明日…』
亡き姉 天命(チョンミョン)に 心で語りかける徳曼(トンマン)
(姉上 ついに明日よ 見ていて)
公開尋問 当日
準備が整った武芸道場に入り 最初に着席したのは
世宗(セジョン)と美生(ミセン)だ
宝宗(ポジョン)は兵の前で指揮をとる
『どの組も各持ち場につき 十分に警戒しろ 分かったな』
『はい!!!』
『行け!』
兵たちが慌ただしく動き出す気配は
キム・ソヒョン ヨンチュン公 閼川(アルチョン)の耳にも届いていた
『兵たちが武芸道場に 本当に公開尋問を開くようです』
『公衆の面前に王女様を立たせるつもりか』
『きっと王女様にはお考えがあるはず』
『だが ミシルも黙ってはいないだろう 企みがあるはずだ』
そこへ サンタクが兵を引き連れて入ってくる
『公開尋問が始まります どうぞ外へ』
インガン殿では 真平(チンピョン)王の意識が戻らないままだった
心配そうに見つめているマヤ王妃 それに付き添う万明(マンミョン)夫人
そこへ 大男甫(テナムボ)が現れる
『公開尋問が始まります お供いたします』
ギロリと大男甫(テナムボ)を睨みつけるマヤ王妃
しかしここは従うしかない
万明(マンミョン)夫人と共に 公開尋問の場に向かう
血だらけの罪人服に髪をふり乱した状態のキム・ソヒョンとヨンチュン公
そして閼川(アルチョン)が現れ 万明(マンミョン)夫人が悲しげに夫を見つめる
続いて牢に入れられていた高島(コド) 大風(テプン) 谷使欣(コクサフン)が
いずれも罪人の席に 縄でつながれたまま座らされる
最後に 大罪人として徳曼(トンマン)が連行され
マヤ王妃はその姿に嘆きの表情を見せる
すべての顔ぶれがそろったところで チルスクがミシルを呼びに来る
『準備完了です』
『花郎(ファラン)たちは?』
『陛下の宮殿の警備を』
『参列の希望は?』
『陛下の護衛ですので不満は出ていません』
『そうか』
ソルォンは 入場しようとする貴族たちを門前で引き止める
門番に止められた貴族が憤慨する
『何をする!』
『確認いたします お許しを』
『何の確認だ!』
『中へ』
『何をするのだ 放せ!』
現れた貴族たちは皆 兵士によって連行され 武芸道場には通されない
その頃 チュジン公はようやく屋敷を出るところだった
その物陰には石品(ソクプム)が部下の兵を引き連れ 監視している
乱暴に連行される貴族たちは皆 無礼な扱いに激怒する
『放せと言っておる!』
『何を…!』
『放せ!』
『無礼者どもめ!何という真似を!』
裏庭に集められた貴族たちの前に ソルォンと宝宗(ポジョン)が現れ
ミシルの命令通り 私兵の帰属令について話す
『兵部(ピョンブ)の帰属令?』
『セジュの命令で戒厳令を拡大します
戒厳令により 私兵の所有を禁止し 全私兵は兵部(ピョンブ)に帰属されます』
『何だと?』
『よって!兵部(ピョンブ)に帰属する念書を書いていただきます』
『何だって!』
『念書?』
『兵部(ピョンブ)などに私兵は渡さん!セジュに会わせろ!!!』
1人の貴族が憤慨して言い返す
宝宗(ポジョン)が1歩前に踏み出し ソルォンは話を続ける
『セジュの命令に同意できないと?』
『……そうとも 無理だ!』
一瞬のためらいの後その貴族は拒否し ソルォンが宝宗(ポジョン)に合図する
宝宗(ポジョン)は さらに1歩踏み出し貴族を斬り殺す…!
『他の皆様は?やはり同意できないと?』
貴族たちは怯えて後ずさっていく
屋敷を出たチュジン公を狙う石品(ソクプム)が 高台から部下に合図すると
一斉に矢が放たれ 護衛兵が倒れていく
しかしその瞬間!
ヨムジョン率いる兵が現れ 石品(ソクプム)の兵を襲撃する
同時刻
月夜(ウォルヤ)と雪地(ソルチ)は 部下を率い城門に向かって疾走する
余裕の構えで守っていた夏宗(ハジョン)だったが 簡単に突破されてしまう
さらに インガン殿前で警備する花郎(ファラン)たち
その物陰には キム・ユシンが隠れて様子を窺っている
そして武芸道場では 世宗(セジョン)が…
『これより 徳曼(トンマン)王女の公開尋問を始めます』
しかし 貴族と大等(テドゥン)たちが座る席には 数えるほどの人数しかいない
マヤ王妃は 公開尋問と言いながらこの状況はと 抗議する
『貴族や大等(テドゥン)たちはなぜ来ないのです!』
※大等(テドゥン):新羅(シルラ)の中央貴族の核心層
ソルォンと宝宗(ポジョン)は焦っていた
入場するすべての貴族たちを脅し 念書を書かせる手はずだったのに…
『名簿には200名 しかし来た者はまだ50名にも満たないです』
『むぅ…』
マヤ王妃の抗議は続く
『公開尋問のはずでしょう!なぜ誰も来ないのだ!』
『貴族は…』
ミシルが答えようとし そこへ宝宗(ポジョン)が血相を変えて現れる…!
何事かと不快な表情になるミシル
宝宗(ポジョン)はミシルの耳元で…
『貴族たちが現れません』
『現れないですって?』
『来た者は50名にもなりません』
『……チュジン公は?』
チュジン公は ヨムジョンの一団に守られ 無事に春秋(チュンチュ)のもとへ
そして 春秋(チュンチュ)の前にひざまずいた瞬間
チュジン公率いるすべての兵士がひざまずく…!
『上州停(サンジュジョン)幢主(タンジュ)チュジンは!
春秋(チュンチュ)公に従います!!!』
※上州停(サンジュジョン):上州(サンジュ)に置かれた軍営
※幢主(タンジュ):派遣された地方官
これを受け 金春秋(キム・チュンチュ)は…
『これより 徐羅伐(ソラボル)へ進軍する!
神国の根幹を揺るがした反乱軍を駆逐し!陛下を救え!!!
義によって憤り!神国を救うのだ!神国の栄光はそなたたちとともに!!!』
一斉に歓声が上がる
春秋(チュンチュ)は ひざまずいているチュジン公の手を取り立ち上がらせた
ともに手を取り 高らかに叫ぶ
宝宗(ポジョン)に続き 石品(ソクプム)から報告を受けるミシル
『何ですって 失敗?!!!』
『急に刺客たちが現れました』
じっとミシルを見つめている徳曼(トンマン)
ミシルは 憎々しげに徳曼(トンマン)を睨みつける
『セジュ どうなさいますか』
『一体どうして暗殺に失敗したというのだ!』
わなわなと震えながら ミシルは指示する
『宮殿の門を閉じ 全兵士を配置して!』
インガン殿を守る花郎(ファラン)たちのもとに 矢が打ち込まれる
矢には赤い布が…
『“義に従え”? “国仙(ククソン)”?!!!』
“花郎(ファラン)たちは義に従え 国仙(ククソン)”
『国仙(ククソン)だと?!!!』
『戻られたのか?』
『矢の紋は確かに国仙(ククソン)のものだ!』
『そうだ』
そこへ 蹄の音が…!
馬に乗って現れたのは 黒い網傘の修行僧姿の人物
少し遅れてキム・ユシンが現れた
『風月主(プンウォルチュ)がムンノ公を連れて来たぞ!』
『本当だ!』
※風月主(プンウォルチュ):花郎(ファラン)の首長
『よし 私は風月主(プンウォルチュ)に従うぞ』
『私もだ…』
キム・ユシンが 花郎(ファラン)に向かって…
『花郎(ファラン)たちよ!今から陛下をお救いする!!!
インガン殿を攻撃するのだ!!!』
『風月主(プンウォルチュ)に従います!!!』
ソルォンと宝宗(ポジョン)のもとへ 1人の兵士が駆け込んでくる
『何事だ』
『インガン殿に襲撃が!!!』
『何だと?!』
不測の事態に 公開尋問の場は兵士たちによって封鎖された
睨み合うミシルと徳曼(トンマン)
その時…!
空から無数の紙が降ってくる
何事かと一同が空を見上げる
空にはいくつもの凧が上がっていて そこから紙が降っている
紙には文字が…
“陛下をお救いした”
拾い上げた紙の文字を読み 驚愕する美生(ミセン)
感動に打ち震えるヨンチュン公 キム・ソヒョン 閼川(アルチョン)
『王女様 ついにやりました!!!』
紙を握り潰し 徳曼(トンマン)を睨みつけるミシル
金春秋(キム・チュンチュ)率いる部隊は 宮殿に向かって進軍している
『姉上 どうしますか!』
追い詰められたミシルは立ち上がり 弓を手にした…!
それを見た徳曼(トンマン)は すくっと立ち上がり
ミシルを見据えたまま 両手をいっぱいに広げた
『セジュ…』
ミシルの行動に 美生(ミセン)や世宗(セジョン)
チルスクでさえ 唖然とした表情になる
(射なさい あなたの負けだ ミシル…)
(そうだ徳曼(トンマン) お前の勝ちだ)
挑むように見据えながら笑みを浮かべる徳曼(トンマン)
ミシルは 力いっぱいに弓を引きしぼる…!!!
ミシルもまた 自らが命じたとおりに事が運ぶことを確信して待つ
ソルォンは 兵部(ピョンブ)の兵を前に計画を説明する
『北門と東門に1隊ずつ配置する ネズミ1匹も通すでないぞ!』
『はい!!!』
『怪しい者がいれば報告しろ
城の周辺を守り 予想外の事態に備えるのだ』
復耶会の砦では矢の1本1本に 赤い布をつける作業が行われている
布には “花郎(ファラン)たちは義に従え” と書かれている
チュジン公の屋敷に サンタクが書状をもって現れる
『公開尋問は 明日の巳の刻です』
『そうか 分かった 下がれ』
『それでは明日 武芸道場へ』
※巳の刻:午前9時~11時
虎才(ホジェ)の屋敷にも 同様の書状が届いていた
『父上 公開尋問は明日の巳の刻です』
『くぅ…!』
虎才(ホジェ)は 昨夜のキム・ユシンの言葉を思い返す
「当日は 私兵の帰属令が出されるはず 逆らえば殺されるでしょう」
息子から事態を聞いている父は動揺する
『本当にミシルセジュが政変を起こすと?』
『はい…』
チュジン公も 迷いに迷っていた
『父上 どうなさるのです』
『ミシルに全兵力を奪われて生きていくべきか
それとも 軍を率いて春秋(チュンチュ)公のもとへ?』
深いため息をつくチュジン公だった
キム・ユシンは 最後の詰めとしてそれぞれの動きを確認する
『世宗(セジョン)公と美生(ミセン)の私兵を
徐羅伐(ソラボル)の外郭に止めておけ』
『分かった』
春秋(チュンチュ)もまた あらゆる事態を考慮する
『チュジン公であれ誰であれ兵を率いて来たら
宮殿へ進撃します それまでは…』
『私は宮殿で任務の遂行を 準備済みです』
『王女様の計画通りに進むことを祈ろう』
ミシルのもとに ソルォンが現れる
『準備が整いました』
『チュジン公は?』
『石品(ソクプム)に任せ 信用できる者たちをつけました』
『少しの落ち度もあってはなりません』
『もちろんです』
いつになく沈んでいるように見えるミシルを気づかうソルォン
『セジュ どうなさいました?』
『……ここまで来るのに 時間をかけ過ぎました』
『ご自身の居場所を見つけたのでしょう』
『居場所?私の居場所?』
『明日 神国の歴史が塗り替えられるのです』
『ええ 明日です 明日…』
亡き姉 天命(チョンミョン)に 心で語りかける徳曼(トンマン)
(姉上 ついに明日よ 見ていて)
公開尋問 当日
準備が整った武芸道場に入り 最初に着席したのは
世宗(セジョン)と美生(ミセン)だ
宝宗(ポジョン)は兵の前で指揮をとる
『どの組も各持ち場につき 十分に警戒しろ 分かったな』
『はい!!!』
『行け!』
兵たちが慌ただしく動き出す気配は
キム・ソヒョン ヨンチュン公 閼川(アルチョン)の耳にも届いていた
『兵たちが武芸道場に 本当に公開尋問を開くようです』
『公衆の面前に王女様を立たせるつもりか』
『きっと王女様にはお考えがあるはず』
『だが ミシルも黙ってはいないだろう 企みがあるはずだ』
そこへ サンタクが兵を引き連れて入ってくる
『公開尋問が始まります どうぞ外へ』
インガン殿では 真平(チンピョン)王の意識が戻らないままだった
心配そうに見つめているマヤ王妃 それに付き添う万明(マンミョン)夫人
そこへ 大男甫(テナムボ)が現れる
『公開尋問が始まります お供いたします』
ギロリと大男甫(テナムボ)を睨みつけるマヤ王妃
しかしここは従うしかない
万明(マンミョン)夫人と共に 公開尋問の場に向かう
血だらけの罪人服に髪をふり乱した状態のキム・ソヒョンとヨンチュン公
そして閼川(アルチョン)が現れ 万明(マンミョン)夫人が悲しげに夫を見つめる
続いて牢に入れられていた高島(コド) 大風(テプン) 谷使欣(コクサフン)が
いずれも罪人の席に 縄でつながれたまま座らされる
最後に 大罪人として徳曼(トンマン)が連行され
マヤ王妃はその姿に嘆きの表情を見せる
すべての顔ぶれがそろったところで チルスクがミシルを呼びに来る
『準備完了です』
『花郎(ファラン)たちは?』
『陛下の宮殿の警備を』
『参列の希望は?』
『陛下の護衛ですので不満は出ていません』
『そうか』
ソルォンは 入場しようとする貴族たちを門前で引き止める
門番に止められた貴族が憤慨する
『何をする!』
『確認いたします お許しを』
『何の確認だ!』
『中へ』
『何をするのだ 放せ!』
現れた貴族たちは皆 兵士によって連行され 武芸道場には通されない
その頃 チュジン公はようやく屋敷を出るところだった
その物陰には石品(ソクプム)が部下の兵を引き連れ 監視している
乱暴に連行される貴族たちは皆 無礼な扱いに激怒する
『放せと言っておる!』
『何を…!』
『放せ!』
『無礼者どもめ!何という真似を!』
裏庭に集められた貴族たちの前に ソルォンと宝宗(ポジョン)が現れ
ミシルの命令通り 私兵の帰属令について話す
『兵部(ピョンブ)の帰属令?』
『セジュの命令で戒厳令を拡大します
戒厳令により 私兵の所有を禁止し 全私兵は兵部(ピョンブ)に帰属されます』
『何だと?』
『よって!兵部(ピョンブ)に帰属する念書を書いていただきます』
『何だって!』
『念書?』
『兵部(ピョンブ)などに私兵は渡さん!セジュに会わせろ!!!』
1人の貴族が憤慨して言い返す
宝宗(ポジョン)が1歩前に踏み出し ソルォンは話を続ける
『セジュの命令に同意できないと?』
『……そうとも 無理だ!』
一瞬のためらいの後その貴族は拒否し ソルォンが宝宗(ポジョン)に合図する
宝宗(ポジョン)は さらに1歩踏み出し貴族を斬り殺す…!
『他の皆様は?やはり同意できないと?』
貴族たちは怯えて後ずさっていく
屋敷を出たチュジン公を狙う石品(ソクプム)が 高台から部下に合図すると
一斉に矢が放たれ 護衛兵が倒れていく
しかしその瞬間!
ヨムジョン率いる兵が現れ 石品(ソクプム)の兵を襲撃する
同時刻
月夜(ウォルヤ)と雪地(ソルチ)は 部下を率い城門に向かって疾走する
余裕の構えで守っていた夏宗(ハジョン)だったが 簡単に突破されてしまう
さらに インガン殿前で警備する花郎(ファラン)たち
その物陰には キム・ユシンが隠れて様子を窺っている
そして武芸道場では 世宗(セジョン)が…
『これより 徳曼(トンマン)王女の公開尋問を始めます』
しかし 貴族と大等(テドゥン)たちが座る席には 数えるほどの人数しかいない
マヤ王妃は 公開尋問と言いながらこの状況はと 抗議する
『貴族や大等(テドゥン)たちはなぜ来ないのです!』
※大等(テドゥン):新羅(シルラ)の中央貴族の核心層
ソルォンと宝宗(ポジョン)は焦っていた
入場するすべての貴族たちを脅し 念書を書かせる手はずだったのに…
『名簿には200名 しかし来た者はまだ50名にも満たないです』
『むぅ…』
マヤ王妃の抗議は続く
『公開尋問のはずでしょう!なぜ誰も来ないのだ!』
『貴族は…』
ミシルが答えようとし そこへ宝宗(ポジョン)が血相を変えて現れる…!
何事かと不快な表情になるミシル
宝宗(ポジョン)はミシルの耳元で…
『貴族たちが現れません』
『現れないですって?』
『来た者は50名にもなりません』
『……チュジン公は?』
チュジン公は ヨムジョンの一団に守られ 無事に春秋(チュンチュ)のもとへ
そして 春秋(チュンチュ)の前にひざまずいた瞬間
チュジン公率いるすべての兵士がひざまずく…!
『上州停(サンジュジョン)幢主(タンジュ)チュジンは!
春秋(チュンチュ)公に従います!!!』
※上州停(サンジュジョン):上州(サンジュ)に置かれた軍営
※幢主(タンジュ):派遣された地方官
これを受け 金春秋(キム・チュンチュ)は…
『これより 徐羅伐(ソラボル)へ進軍する!
神国の根幹を揺るがした反乱軍を駆逐し!陛下を救え!!!
義によって憤り!神国を救うのだ!神国の栄光はそなたたちとともに!!!』
一斉に歓声が上がる
春秋(チュンチュ)は ひざまずいているチュジン公の手を取り立ち上がらせた
ともに手を取り 高らかに叫ぶ
宝宗(ポジョン)に続き 石品(ソクプム)から報告を受けるミシル
『何ですって 失敗?!!!』
『急に刺客たちが現れました』
じっとミシルを見つめている徳曼(トンマン)
ミシルは 憎々しげに徳曼(トンマン)を睨みつける
『セジュ どうなさいますか』
『一体どうして暗殺に失敗したというのだ!』
わなわなと震えながら ミシルは指示する
『宮殿の門を閉じ 全兵士を配置して!』
インガン殿を守る花郎(ファラン)たちのもとに 矢が打ち込まれる
矢には赤い布が…
『“義に従え”? “国仙(ククソン)”?!!!』
“花郎(ファラン)たちは義に従え 国仙(ククソン)”
『国仙(ククソン)だと?!!!』
『戻られたのか?』
『矢の紋は確かに国仙(ククソン)のものだ!』
『そうだ』
そこへ 蹄の音が…!
馬に乗って現れたのは 黒い網傘の修行僧姿の人物
少し遅れてキム・ユシンが現れた
『風月主(プンウォルチュ)がムンノ公を連れて来たぞ!』
『本当だ!』
※風月主(プンウォルチュ):花郎(ファラン)の首長
『よし 私は風月主(プンウォルチュ)に従うぞ』
『私もだ…』
キム・ユシンが 花郎(ファラン)に向かって…
『花郎(ファラン)たちよ!今から陛下をお救いする!!!
インガン殿を攻撃するのだ!!!』
『風月主(プンウォルチュ)に従います!!!』
ソルォンと宝宗(ポジョン)のもとへ 1人の兵士が駆け込んでくる
『何事だ』
『インガン殿に襲撃が!!!』
『何だと?!』
不測の事態に 公開尋問の場は兵士たちによって封鎖された
睨み合うミシルと徳曼(トンマン)
その時…!
空から無数の紙が降ってくる
何事かと一同が空を見上げる
空にはいくつもの凧が上がっていて そこから紙が降っている
紙には文字が…
“陛下をお救いした”
拾い上げた紙の文字を読み 驚愕する美生(ミセン)
感動に打ち震えるヨンチュン公 キム・ソヒョン 閼川(アルチョン)
『王女様 ついにやりました!!!』
紙を握り潰し 徳曼(トンマン)を睨みつけるミシル
金春秋(キム・チュンチュ)率いる部隊は 宮殿に向かって進軍している
『姉上 どうしますか!』
追い詰められたミシルは立ち上がり 弓を手にした…!
それを見た徳曼(トンマン)は すくっと立ち上がり
ミシルを見据えたまま 両手をいっぱいに広げた
『セジュ…』
ミシルの行動に 美生(ミセン)や世宗(セジョン)
チルスクでさえ 唖然とした表情になる
(射なさい あなたの負けだ ミシル…)
(そうだ徳曼(トンマン) お前の勝ちだ)
挑むように見据えながら笑みを浮かべる徳曼(トンマン)
ミシルは 力いっぱいに弓を引きしぼる…!!!
コメント
コメントを投稿