善徳女王 49話#1 ミシル脱出 大耶(テヤ)城へ!
(射なさい あなたの負けだ ミシル…)
(そうだ徳曼(トンマン) お前の勝ちだ)
ミシルが放った矢は 徳曼(トンマン)の胸の真ん中に命中した
矢をおさえ 射られた勢いで椅子に崩れ落ちる徳曼(トンマン)
マヤ王妃は絶叫し 万明(マンミョン)夫人が立ち上がり
世宗(セジョン)と美生(ミセン) チルスクと石品(ソクプム)でさえ息を飲む
絶望の表情で徳曼(トンマン)を見守る高島(コド)たち
キム・ソヒョンとヨンチュン公は徳曼(トンマン)のそばに駆け寄る
その時…!
胸をつらぬいたかと思われた矢は 徳曼(トンマン)の手からこぼれ落ちた
ゆっくりと顔を上げる徳曼(トンマン)
その目は ギロリとミシルを睨みつけた
『王女様!』
『王女様…』
ゆっくりと立ち上がる徳曼(トンマン)
ミシルは じっと徳曼(トンマン)を凝視している
徳曼(トンマン)が胸元から取り出した物を見て笑みを浮かべるミシル
『ソヨプ刀…』
驚いたのはミシルだけではない
『ソヨプ刀… ソヨプ刀だ!』
マヤ王妃は 徳曼(トンマン)がミシルに向かって掲げたソヨプ刀を見て叫ぶ
生まれたばかりの徳曼(トンマン)を昭火(ソファ)の手に委ねた時に
我が子の証しとして真平(チンピョン)王が持たせたソヨプ刀だったのだ
国仙(ククソン)ムンノの名のもとに 風月主(プンウォルチュ)ユシンに従い
花郎(ファラン)たちは果敢に戦った
インガン殿の中では ようやく目覚めた真平(チンピョン)王が…
『何事だ 外で何か起きたのか?』
『あの 陛下…』
『どうした』
『その… 申し訳ありません!』
怖れを成して内官が去り 代わりに側近が…
『陛下!』
『一体 何が?』
『私にも分かりません!とにかく ここからお逃げください!』
そこへ…!
『陛下!!!』
『ユシン』
『陛下 私が来たからにはもう大丈夫です
私と花郎(ファラン)が インガン殿を掌握しました』
※花郎(ファラン):美しく文武両道に秀でた青年の精鋭集団
『徳曼(トンマン)… 徳曼(トンマン)は?!!!』
武芸道場で睨み合うミシルと徳曼(トンマン)
そこへ ソルォンと宝宗(ポジョン)が駆け込んでくる
『どうなっている! 一体 何が…』
『お逃げください ユシンがムンノ公とインガン殿を制圧しました』
『セジュをお連れしろ』
※セジュ:王の印を管理する役職
玉座から 足早に去っていくミシルと側近たち
最後にソルォンが 残った兵士に目配せを!
一斉に徳曼(トンマン)を包囲する兵士たち
閼川(アルチョン)が憤る
『お前ら!!!何の真似だ!やめないか!』
そこへ 毗曇(ピダム)が軍勢を率いて現れる
その中には 竹方(チュクパン)の姿もある
たちまち形勢は逆転し 竹方(チュクパン)は高島(コド)たちを助け
毗曇(ピダム)は徳曼(トンマン)のもとへ…!
『王女様!』
『おかげで助かった』
『今度 むちゃな真似をされたら 助けませんよ』
万明(マンミョン)夫人は 夫キム・ソヒョンのもとへ
マヤ王妃は 徳曼(トンマン)のもとへ駆け寄る
『徳曼(トンマン)!』
『もう大丈夫です 陛下は?』
竹方(チュクパン)が…
『ご安心を!ユシン郎(ラン)がお守りしています 王女様もお連れしろと』
『ミシルを宮殿から出すな 後を追え!』
『はい』
武芸道場から出たミシルは ソルォンたちに護衛されながら進む
『輿の準備を』
『はい』
宮殿からの脱出を図る前に ミシルは隠し部屋に向かった
小箱の中の書状を取り出そうとするが 小箱の中は空だった
動揺するミシル…!
今 宮殿を去らなければならない事態よりも ミシルにとっては重大なことだった
そこへチルスクが追いかけてくる
『セジュ お急ぎください』
『……』
『セジュ どうされたのです?』
『なくなっている 一体 誰が…』
チルスクの表情が曇る
この部屋に ミシル以外の者が出入りしたとすれば 昭火(ソファ)だけだった
『行かねばならぬな』
『セジュ… 秘密の通路が知られたようです』
ミシルと視線を合わせられないチルスク
ミシルは じっとチルスクを見据えた…!
輿の準備が整い ソルォンが…
『これより セジュを安全に宮殿の外へお連れする!』
『はい!!!』
そこへ石品(ソクプム)が
『ソヒョン公が兵を率いてこちらへ!』
『逃げ道を塞がれたのか!』
動揺する美生(ミセン)
ソルォンは冷静に判断する
『抜け道などない 突破するしかありません
セジュを安全にお連れしろ!よいか!!!』
『はい!!!』
そこへ
『その必要はありません!』
『セジュ!』
『宮殿の正門を 正面から突破します』
ミシルの言葉を重く受け止め ソルォンがあらためて指示を出す
『退却するが 宮殿を出れば数万の兵がセジュの味方だ!
命懸けでセジュをお守りしろ!お前たちの名は決して忘れぬ!
セジュのために死んだ者は 誰一人忘れぬ!セジュにその命を捧げよ!!!』
続けて宝宗(ポジョン)が…
『セジュに恩を受けていない者や
セジュに命の借りがない者がいれば 立ち去れ!!!』
『はい セジュに命を捧げます!!!』
『セジュに命を捧げます!!!』
『行くぞ!ミシルの兵たちよ!!!』
ミシルの動きを報告する谷使欣(コクサフン)
『ミシルが正門に進撃を!!!』
『何?!!!』
『ミシルが正門へ向かった?!!!』
『何だと?ミシルが?!!!』
ユシンが 閼川(アルチョン)が 徳曼(トンマン)が驚く
『影武者では?』
『いいえ ミシル本人です』
確信を持って答える谷使欣(コクサフン)
徳曼(トンマン)は毗曇(ピダム)に…
『おとりを使うと思ったが 違ったか
これでは 兵を分けた我々が不利だ チュジン公もまだ着いていない』
『ええ』
『兵を正門に集結させよ!』
『はい』
命令を受け 走り去る谷使欣(コクサフン)
『ミシルを逃がすわけにはいかない 私が行く』
ソルォンとキム・ソヒョンの 指揮力の戦いと言えるような睨み合いが続く
『陣を組め!!!』
『防御陣を構えよ!!!』
大風(テプン)は 金春秋(キム・チュンチュ)のもとへ…!
『王女様の命令をお持ちしました!』
『陛下と王女様はご無事か』
『お2人ともご無事です しかしミシルと正門で戦闘が』
『正門でセジュが直接?』
驚くチュジン公
高島(コド)と大風(テプン)は焦っていた
『早くいらしてください!』
『すでに突破されたかもしれません!』
『ミシルに逃げられては大変です』
『ええ 急ぎましょう』
徳曼(トンマン)のもとへ駆け付けるキム・ユシンと閼川(アルチョン)
『ミシルは?』
『突破されました』
『ソヒョン公が後を追っていますが』
そこへようやく 春秋(チュンチュ) チュジン公 ヨムジョンが到着する
『ミシルが突破を?』
遅れて申し訳ない表情の春秋(チュンチュ)
徳曼(トンマン)がユシンに…
『ミシルが連れて出た兵力は?』
『多くはありませんが 世宗(セジョン)公の私兵と合流を』
まずは キム・ソヒョンとチュジン公に命令する徳曼(トンマン)
『ソヒョン公と合流して後を追ってください』
『はい 王女様』
『徐羅伐(ソラボル)を出る前に包囲するのです』
※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)
『徐羅伐(ソラボル)の外で陣を構えられたら… 内戦になります』
“内戦”の言葉に動揺する一同
突破に成功したソルォンは…
『もはや内戦です』
『内戦か』
『ええ セジュは大耶(テヤ)城の城主を味方につけています』
『大耶(テヤ)城だと?』
ソルォンと世宗(セジョン)のやり取りに 美生(ミセン)の表情が明るくなる
『大耶(テヤ)城といえば難攻不落の城 落城は極めて困難です
我々にも十分に勝算はある!』
『あまり休んではいられません
兵力が足りないので追いつかれる前に大耶(テヤ)城へ』
『夏宗(ハジョン)も私の私兵を率いて来るはずだ 行こう』
ミシルのもとへ 出発の報告に行くソルォン
『セジュ 出発しましょう』
『ええ 大耶(テヤ)城に知らせは?』
『クジン川まで城主が出迎えに来るそうです』
『そうですか…』
『お気を落とされぬよう』
『もちろんです これから先は 徳曼(トンマン)が時間に追われることでしょう』
ミシルの追跡をしつつも 徳曼(トンマン)は側近を集めて会議を開く
『まず完全に宮殿を掌握しなくては』
『ミシルは40年も宮殿を支配して来ました』
『ミシル側の人間を見分けるのは困難でしょう』
ユシンと話し合っていると そこへ キム・ソヒョンが…
『どうなりました?』
『逃げられました』
『……!』
『もう少しのところで 大耶(テヤ)城の城主が兵を率いて現れたのです』
『大耶(テヤ)城ですと?!!!』
驚くヨンチュン公
『はい ミシルたちは大耶(テヤ)城へ入りました』
無事に大耶(テヤ)城に到着した夏宗(ハジョン)は上機嫌だ
『はい ここは大耶(テヤ)城ですよ 難攻不落の城です アーッハッハッハ…』
『そのうえ 我々に兵力を支援するという城が あちこちにあります』
『七重(チルチュン)城のマゴジ将軍からも 知らせが来ました』
『再出発の地として ここは最高の場所だ』
夏宗(ハジョン)に続き 美生(ミセン) 宝宗(ポジョン)
そして世宗(セジョン)の言葉に ミシルは久々の笑顔を取り戻す
『ええ 我々は勝ちます この私が諦めない限り』
チルスクと石品(ソクプム)は 兵士たちに檄を飛ばしている
『一瞬たりとも警戒を緩めるな 城内に密偵が潜入してくる
警備の者は十分に気を配るように!』
『はい!』
『持ち場に戻り 所属する兵の確認をせよ!』
『はい!』
持ち場に行こうとするチルスクの背中に 声をかける石品(ソクプム)
『結局 内戦に?』
『…そうなるだろう』
『……セジュは 常に神国の大義を貫いてこられました』
※神国:新羅(シルラ)の別称
『今は違うと?』
『……構いません』
『なぜだ』
『セジュは 卑しい身分の私を重用してくださいました
花郎(ファラン)という名誉を得られて 家族ともども豊かに暮らせました
神国ではなくセジュが… 与えてくれたのです』
『……大義よりセジュが大事か?』
『申し訳ありません ですがこうなって悟りました 私はこの程度の器なのだと
ご気分を害されたのなら 謝ります』
何よりミシルにすべてを捧げたチルスクの前で
言葉が過ぎたと謝罪する石品(ソクプム)
『私も同じだ』
そう答えたチルスクを見つめる石品(ソクプム)
その目には 信頼感が滲んでいた
徳曼(トンマン)と側近たちとの会議は続いている
『起こしてはならぬが 内戦が避けられない場合に備えて
兵部(ピョンブ)の再建を急がねば』
『長年ソルォンの支配下にあったゆえ 粛清せねばとても戦えません』
『兵部(ピョンブ)は 私と父にお任せください』
『頼みます』
長い間 ミシルの情夫ソルォンが支配していた兵部(ピョンブ)を
キム・ソヒョンとユシンの父子が建て直すことに
『ヨンチュン公と春秋(チュンチュ)は 内省(ネソン)の兵力と人員の確認を』
『分かりました』
『お任せを』
※内省(ネソン):王室内の仕事を取り仕切る官庁
『閼川郎(アルチョンラン)は 上大等(サンデドゥン)とミシルの管轄だった
調府(チョブ)や礼部(イェブ)を私と調べる』
※上大等(サンデドゥン):新羅(シルラ)の最高官職 現在の国務総理
※調府(チョブ):貢納と租税を担当した官庁
『大耶(テヤ)城周辺に兵を配置すべきでは?』
『ええ チュジン公に指示してください
大耶(テヤ)城に最も近い城に駐屯し関門を警備するようにと』
『はい』
『早く宮殿を整備せねば大変な混乱が起こります 急いでください』
会議の場ではなく ミシルの執務室にいる毗曇(ピダム)よヨムジョン
『お前はなぜ会議に出られない?』
『官職がないから』
『だったら官職をもらえよ』
『面倒くさい 自由気ままに王女様からの任務を遂行する方がいい』
『分かってないな 宮殿を完全に掌握出来たら褒美がもらえる』
チラッとヨムジョンを見る毗曇(ピダム)
どこでキレるか分からない毗曇(ピダム)にビクビクしながらも
ヨムジョンは話を続けた
『春秋(チュンチュ)公にはヨンチュン公 ユシン郎(ラン)にはソヒョン公が
閼川郎(アルチョンラン)は侍衛府令(シウィブリョン)だし 父君の力もある
だがお前には何もない それじゃ いい地位を得られんぞ』
ヨムジョンの言葉にムッとしていると 徳曼(トンマン)が戻ってくる
『毗曇郎(ピダムラン)』
『はい!』
『刺客を大耶(テヤ)城に潜入させてほしい』
『はい やってみます』
『ではお前に任せる 大耶(テヤ)城の内外とミシルの動きを調べてくれ』
『……』
『お前なら 信じて任せられる』
『はい 承知しました』
意気揚々と執務室を出てくる毗曇(ピダム)
『見たか 俺には重要な任務を任せて下さる』
『それは違う 皆は兵部(ピョンブ)や内省(ネソン)を任されているのに
俺たちはいつも外で 情報の収集だ』
『このひねくれ者め!』
『ずっとムンノ公といたから組織ってものが分かってない』
『組織ぐらい分かってる』
刑場では…
『無念でございます』
『我々は兵部令(ピョンブリョン)の命令に従っただけです!
それが罪ですか?無念でございます!!!』
※兵部令(ピョンブリョン):新羅(シルラ)の軍の長官
兵士たちの訴えに辟易するキム・ソヒョンとユシン
月夜(ウォルヤ)と雪地(ソルチ)は徹底的に文書を調べ上げる
慣れない仕事の助けになったのは 竹方(チュクパン)の調査力だった
『この者たちは 以前ソルォン公とともに八良(パルリャン)峠の戦いへ』
『八良(パルリャン)峠か』
『その後ソルォン公の手で昇進を』
『こちらの者たちはチョゲリョンの戦いへ』
『そうか』
雪地(ソルチ)も竹方(チュクパン)に負けじと調べ上げる
そこへ ソヒョン公とユシンが様子を見に来る
状況報告をする月夜(ウォルヤ)
竹方(チュクパン)も どれだけ大変な作業かを力説する
『ただ今ソルォン公と縁の深い者を 兵部(ピョンブ)の記録から探しております』
『しかし こんなに多くてはとても調べきれません ソルォン公は15年間も
兵部令(ピョンブリョン)を務めており 何度も戦へ出ています
それにソルォン郎(ラン)に抜擢され昇進した者も大勢いて…』
竹方(チュクパン)の訴えに同意して2人はうなだれる しかしユシンは…
『だが ソルォン公との関係を そうやって』
『いやしかし…』
『そうしなければ 兵部(ピョンブ)を率いてミシルと戦えない
月夜(ウォルヤ)と大郎頭(テナンドゥ)は 調査を急いでくれ』
『はい』
※大郎頭(テナンドゥ):郎徒(ナンド)の6番目の等級
徳曼(トンマン)もまた 後から後から出てくる不備に弱っていた
『チョゲリョンの宮殿建設の文書がない?』
『それが…』
『申してみよ』
『宮殿の建設費用は夏宗(ハジョン)公と上大等(サンデドゥン)が工面し
その件を担当していた成典(ソンジョン)の役人は…
セジュが逃げた日から姿を見せません』
※成典(ソンジョン):王室の寺院や宮殿の建設の担当部署
『この件に詳しい者は他におらぬのか!』
『それが…多額の費用を要する案件ゆえ 秘密裏に進められておりまして…』
『分かった 下がってよい』
そこへ 閼川(アルチョン)が飛び込んでくる
『到着予定の手弩(シュド)が乃而浦(ネイポ)に届いておりません』
『手弩(シュド)?』
※手弩(シュド):矢を連続発射できる弓
『船府(ソンブ)で船大工や鉄工など技術者を倭国へ送る代わりに
手弩(シュド)を受け取ることになっていたのです ソルォンが指揮を』
※船府(ソンブ):船舶関連の業務を担当
『それがまだ 届かぬと?』
『急いで乃而浦(ネイポ)に人を送りましたが
もし ミシルに強奪されたのだとしたら…』
その頃ミシルは…
『手弩(シュド)が届いた?』
『昨夜 乃而浦(ネイポ)に届いた物すべてを持ち帰りました
ソルォン公の話によると 最近では一番良い出来だとか ハッハッハ…』
『食料の蓄えはどうですか』
『この先1年は十分に食べていけましょう ご安心ください』
『それに 外部から完全に孤立したとしても
ここ大耶(テヤ)城では 自給自足が可能です』
『そのとおり 関門の防衛担当のムウン将軍が 兵糧米を調達します』
『そうですか康州(カンジュ)と金官(クムグァン)から
宮殿へ届く上書は止めた?』
『すべて こちらへ届けるよう手を回しておきました』
『あらゆる準備が順調に進んでおります』
そこへ 伝令の兵士としてサンタクが…
『冠文(クァンムン)県から知らせが届きました』
『知らせ?どんな内容だ』
『冠文(クァンムン)県で大火災が起きたそうです』
『何だと?!』
その知らせは 徐羅伐(ソラボル)の徳曼(トンマン)のもとへも届いていた
『火災が?!』
『冠文(クァンムン)県で土城を建設の際 出火し かなりの被害です』
『なぜ知らせが来ないのです!上書は?』
『…来ていません』
徳曼(トンマン)への情報は 正式に上書として報告されるものは何もなかった
『使いを送って状況を把握し処置するように!』
ワナワナと震えながら 徳曼(トンマン)は命令するが…
執務室で 気落ちする徳曼(トンマン)と話し合う春秋(チュンチュ)とユシン
『宮殿内外の統制が取れていません
誰が誰に何を報告しているのか 把握できません』
『まるで宮中に密偵がいて 情報を流しているかのようです』
そこへ閼川(アルチョン)が…
『王女様!乃而浦(ネイポ)に届いた武器はすべて
大耶(テヤ)城に運ばれました!』
愕然とする徳曼(トンマン)
茫然とする春秋(チュンチュ)
キム・ユシンが厳しい表情で…
『この状況を早く何とかしなくては!
このままでは ミシルのいる所が徐羅伐(ソラボル)に!!!』
(そうだ徳曼(トンマン) お前の勝ちだ)
ミシルが放った矢は 徳曼(トンマン)の胸の真ん中に命中した
矢をおさえ 射られた勢いで椅子に崩れ落ちる徳曼(トンマン)
マヤ王妃は絶叫し 万明(マンミョン)夫人が立ち上がり
世宗(セジョン)と美生(ミセン) チルスクと石品(ソクプム)でさえ息を飲む
絶望の表情で徳曼(トンマン)を見守る高島(コド)たち
キム・ソヒョンとヨンチュン公は徳曼(トンマン)のそばに駆け寄る
その時…!
胸をつらぬいたかと思われた矢は 徳曼(トンマン)の手からこぼれ落ちた
ゆっくりと顔を上げる徳曼(トンマン)
その目は ギロリとミシルを睨みつけた
『王女様!』
『王女様…』
ゆっくりと立ち上がる徳曼(トンマン)
ミシルは じっと徳曼(トンマン)を凝視している
徳曼(トンマン)が胸元から取り出した物を見て笑みを浮かべるミシル
『ソヨプ刀…』
驚いたのはミシルだけではない
『ソヨプ刀… ソヨプ刀だ!』
マヤ王妃は 徳曼(トンマン)がミシルに向かって掲げたソヨプ刀を見て叫ぶ
生まれたばかりの徳曼(トンマン)を昭火(ソファ)の手に委ねた時に
我が子の証しとして真平(チンピョン)王が持たせたソヨプ刀だったのだ
国仙(ククソン)ムンノの名のもとに 風月主(プンウォルチュ)ユシンに従い
花郎(ファラン)たちは果敢に戦った
インガン殿の中では ようやく目覚めた真平(チンピョン)王が…
『何事だ 外で何か起きたのか?』
『あの 陛下…』
『どうした』
『その… 申し訳ありません!』
怖れを成して内官が去り 代わりに側近が…
『陛下!』
『一体 何が?』
『私にも分かりません!とにかく ここからお逃げください!』
そこへ…!
『陛下!!!』
『ユシン』
『陛下 私が来たからにはもう大丈夫です
私と花郎(ファラン)が インガン殿を掌握しました』
※花郎(ファラン):美しく文武両道に秀でた青年の精鋭集団
『徳曼(トンマン)… 徳曼(トンマン)は?!!!』
武芸道場で睨み合うミシルと徳曼(トンマン)
そこへ ソルォンと宝宗(ポジョン)が駆け込んでくる
『どうなっている! 一体 何が…』
『お逃げください ユシンがムンノ公とインガン殿を制圧しました』
『セジュをお連れしろ』
※セジュ:王の印を管理する役職
玉座から 足早に去っていくミシルと側近たち
最後にソルォンが 残った兵士に目配せを!
一斉に徳曼(トンマン)を包囲する兵士たち
閼川(アルチョン)が憤る
『お前ら!!!何の真似だ!やめないか!』
そこへ 毗曇(ピダム)が軍勢を率いて現れる
その中には 竹方(チュクパン)の姿もある
たちまち形勢は逆転し 竹方(チュクパン)は高島(コド)たちを助け
毗曇(ピダム)は徳曼(トンマン)のもとへ…!
『王女様!』
『おかげで助かった』
『今度 むちゃな真似をされたら 助けませんよ』
万明(マンミョン)夫人は 夫キム・ソヒョンのもとへ
マヤ王妃は 徳曼(トンマン)のもとへ駆け寄る
『徳曼(トンマン)!』
『もう大丈夫です 陛下は?』
竹方(チュクパン)が…
『ご安心を!ユシン郎(ラン)がお守りしています 王女様もお連れしろと』
『ミシルを宮殿から出すな 後を追え!』
『はい』
武芸道場から出たミシルは ソルォンたちに護衛されながら進む
『輿の準備を』
『はい』
宮殿からの脱出を図る前に ミシルは隠し部屋に向かった
小箱の中の書状を取り出そうとするが 小箱の中は空だった
動揺するミシル…!
今 宮殿を去らなければならない事態よりも ミシルにとっては重大なことだった
そこへチルスクが追いかけてくる
『セジュ お急ぎください』
『……』
『セジュ どうされたのです?』
『なくなっている 一体 誰が…』
チルスクの表情が曇る
この部屋に ミシル以外の者が出入りしたとすれば 昭火(ソファ)だけだった
『行かねばならぬな』
『セジュ… 秘密の通路が知られたようです』
ミシルと視線を合わせられないチルスク
ミシルは じっとチルスクを見据えた…!
輿の準備が整い ソルォンが…
『これより セジュを安全に宮殿の外へお連れする!』
『はい!!!』
そこへ石品(ソクプム)が
『ソヒョン公が兵を率いてこちらへ!』
『逃げ道を塞がれたのか!』
動揺する美生(ミセン)
ソルォンは冷静に判断する
『抜け道などない 突破するしかありません
セジュを安全にお連れしろ!よいか!!!』
『はい!!!』
そこへ
『その必要はありません!』
『セジュ!』
『宮殿の正門を 正面から突破します』
ミシルの言葉を重く受け止め ソルォンがあらためて指示を出す
『退却するが 宮殿を出れば数万の兵がセジュの味方だ!
命懸けでセジュをお守りしろ!お前たちの名は決して忘れぬ!
セジュのために死んだ者は 誰一人忘れぬ!セジュにその命を捧げよ!!!』
続けて宝宗(ポジョン)が…
『セジュに恩を受けていない者や
セジュに命の借りがない者がいれば 立ち去れ!!!』
『はい セジュに命を捧げます!!!』
『セジュに命を捧げます!!!』
『行くぞ!ミシルの兵たちよ!!!』
ミシルの動きを報告する谷使欣(コクサフン)
『ミシルが正門に進撃を!!!』
『何?!!!』
『ミシルが正門へ向かった?!!!』
『何だと?ミシルが?!!!』
ユシンが 閼川(アルチョン)が 徳曼(トンマン)が驚く
『影武者では?』
『いいえ ミシル本人です』
確信を持って答える谷使欣(コクサフン)
徳曼(トンマン)は毗曇(ピダム)に…
『おとりを使うと思ったが 違ったか
これでは 兵を分けた我々が不利だ チュジン公もまだ着いていない』
『ええ』
『兵を正門に集結させよ!』
『はい』
命令を受け 走り去る谷使欣(コクサフン)
『ミシルを逃がすわけにはいかない 私が行く』
ソルォンとキム・ソヒョンの 指揮力の戦いと言えるような睨み合いが続く
『陣を組め!!!』
『防御陣を構えよ!!!』
大風(テプン)は 金春秋(キム・チュンチュ)のもとへ…!
『王女様の命令をお持ちしました!』
『陛下と王女様はご無事か』
『お2人ともご無事です しかしミシルと正門で戦闘が』
『正門でセジュが直接?』
驚くチュジン公
高島(コド)と大風(テプン)は焦っていた
『早くいらしてください!』
『すでに突破されたかもしれません!』
『ミシルに逃げられては大変です』
『ええ 急ぎましょう』
徳曼(トンマン)のもとへ駆け付けるキム・ユシンと閼川(アルチョン)
『ミシルは?』
『突破されました』
『ソヒョン公が後を追っていますが』
そこへようやく 春秋(チュンチュ) チュジン公 ヨムジョンが到着する
『ミシルが突破を?』
遅れて申し訳ない表情の春秋(チュンチュ)
徳曼(トンマン)がユシンに…
『ミシルが連れて出た兵力は?』
『多くはありませんが 世宗(セジョン)公の私兵と合流を』
まずは キム・ソヒョンとチュジン公に命令する徳曼(トンマン)
『ソヒョン公と合流して後を追ってください』
『はい 王女様』
『徐羅伐(ソラボル)を出る前に包囲するのです』
※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)
『徐羅伐(ソラボル)の外で陣を構えられたら… 内戦になります』
“内戦”の言葉に動揺する一同
突破に成功したソルォンは…
『もはや内戦です』
『内戦か』
『ええ セジュは大耶(テヤ)城の城主を味方につけています』
『大耶(テヤ)城だと?』
ソルォンと世宗(セジョン)のやり取りに 美生(ミセン)の表情が明るくなる
『大耶(テヤ)城といえば難攻不落の城 落城は極めて困難です
我々にも十分に勝算はある!』
『あまり休んではいられません
兵力が足りないので追いつかれる前に大耶(テヤ)城へ』
『夏宗(ハジョン)も私の私兵を率いて来るはずだ 行こう』
ミシルのもとへ 出発の報告に行くソルォン
『セジュ 出発しましょう』
『ええ 大耶(テヤ)城に知らせは?』
『クジン川まで城主が出迎えに来るそうです』
『そうですか…』
『お気を落とされぬよう』
『もちろんです これから先は 徳曼(トンマン)が時間に追われることでしょう』
ミシルの追跡をしつつも 徳曼(トンマン)は側近を集めて会議を開く
『まず完全に宮殿を掌握しなくては』
『ミシルは40年も宮殿を支配して来ました』
『ミシル側の人間を見分けるのは困難でしょう』
ユシンと話し合っていると そこへ キム・ソヒョンが…
『どうなりました?』
『逃げられました』
『……!』
『もう少しのところで 大耶(テヤ)城の城主が兵を率いて現れたのです』
『大耶(テヤ)城ですと?!!!』
驚くヨンチュン公
『はい ミシルたちは大耶(テヤ)城へ入りました』
無事に大耶(テヤ)城に到着した夏宗(ハジョン)は上機嫌だ
『はい ここは大耶(テヤ)城ですよ 難攻不落の城です アーッハッハッハ…』
『そのうえ 我々に兵力を支援するという城が あちこちにあります』
『七重(チルチュン)城のマゴジ将軍からも 知らせが来ました』
『再出発の地として ここは最高の場所だ』
夏宗(ハジョン)に続き 美生(ミセン) 宝宗(ポジョン)
そして世宗(セジョン)の言葉に ミシルは久々の笑顔を取り戻す
『ええ 我々は勝ちます この私が諦めない限り』
チルスクと石品(ソクプム)は 兵士たちに檄を飛ばしている
『一瞬たりとも警戒を緩めるな 城内に密偵が潜入してくる
警備の者は十分に気を配るように!』
『はい!』
『持ち場に戻り 所属する兵の確認をせよ!』
『はい!』
持ち場に行こうとするチルスクの背中に 声をかける石品(ソクプム)
『結局 内戦に?』
『…そうなるだろう』
『……セジュは 常に神国の大義を貫いてこられました』
※神国:新羅(シルラ)の別称
『今は違うと?』
『……構いません』
『なぜだ』
『セジュは 卑しい身分の私を重用してくださいました
花郎(ファラン)という名誉を得られて 家族ともども豊かに暮らせました
神国ではなくセジュが… 与えてくれたのです』
『……大義よりセジュが大事か?』
『申し訳ありません ですがこうなって悟りました 私はこの程度の器なのだと
ご気分を害されたのなら 謝ります』
何よりミシルにすべてを捧げたチルスクの前で
言葉が過ぎたと謝罪する石品(ソクプム)
『私も同じだ』
そう答えたチルスクを見つめる石品(ソクプム)
その目には 信頼感が滲んでいた
徳曼(トンマン)と側近たちとの会議は続いている
『起こしてはならぬが 内戦が避けられない場合に備えて
兵部(ピョンブ)の再建を急がねば』
『長年ソルォンの支配下にあったゆえ 粛清せねばとても戦えません』
『兵部(ピョンブ)は 私と父にお任せください』
『頼みます』
長い間 ミシルの情夫ソルォンが支配していた兵部(ピョンブ)を
キム・ソヒョンとユシンの父子が建て直すことに
『ヨンチュン公と春秋(チュンチュ)は 内省(ネソン)の兵力と人員の確認を』
『分かりました』
『お任せを』
※内省(ネソン):王室内の仕事を取り仕切る官庁
『閼川郎(アルチョンラン)は 上大等(サンデドゥン)とミシルの管轄だった
調府(チョブ)や礼部(イェブ)を私と調べる』
※上大等(サンデドゥン):新羅(シルラ)の最高官職 現在の国務総理
※調府(チョブ):貢納と租税を担当した官庁
『大耶(テヤ)城周辺に兵を配置すべきでは?』
『ええ チュジン公に指示してください
大耶(テヤ)城に最も近い城に駐屯し関門を警備するようにと』
『はい』
『早く宮殿を整備せねば大変な混乱が起こります 急いでください』
会議の場ではなく ミシルの執務室にいる毗曇(ピダム)よヨムジョン
『お前はなぜ会議に出られない?』
『官職がないから』
『だったら官職をもらえよ』
『面倒くさい 自由気ままに王女様からの任務を遂行する方がいい』
『分かってないな 宮殿を完全に掌握出来たら褒美がもらえる』
チラッとヨムジョンを見る毗曇(ピダム)
どこでキレるか分からない毗曇(ピダム)にビクビクしながらも
ヨムジョンは話を続けた
『春秋(チュンチュ)公にはヨンチュン公 ユシン郎(ラン)にはソヒョン公が
閼川郎(アルチョンラン)は侍衛府令(シウィブリョン)だし 父君の力もある
だがお前には何もない それじゃ いい地位を得られんぞ』
ヨムジョンの言葉にムッとしていると 徳曼(トンマン)が戻ってくる
『毗曇郎(ピダムラン)』
『はい!』
『刺客を大耶(テヤ)城に潜入させてほしい』
『はい やってみます』
『ではお前に任せる 大耶(テヤ)城の内外とミシルの動きを調べてくれ』
『……』
『お前なら 信じて任せられる』
『はい 承知しました』
意気揚々と執務室を出てくる毗曇(ピダム)
『見たか 俺には重要な任務を任せて下さる』
『それは違う 皆は兵部(ピョンブ)や内省(ネソン)を任されているのに
俺たちはいつも外で 情報の収集だ』
『このひねくれ者め!』
『ずっとムンノ公といたから組織ってものが分かってない』
『組織ぐらい分かってる』
刑場では…
『無念でございます』
『我々は兵部令(ピョンブリョン)の命令に従っただけです!
それが罪ですか?無念でございます!!!』
※兵部令(ピョンブリョン):新羅(シルラ)の軍の長官
兵士たちの訴えに辟易するキム・ソヒョンとユシン
月夜(ウォルヤ)と雪地(ソルチ)は徹底的に文書を調べ上げる
慣れない仕事の助けになったのは 竹方(チュクパン)の調査力だった
『この者たちは 以前ソルォン公とともに八良(パルリャン)峠の戦いへ』
『八良(パルリャン)峠か』
『その後ソルォン公の手で昇進を』
『こちらの者たちはチョゲリョンの戦いへ』
『そうか』
雪地(ソルチ)も竹方(チュクパン)に負けじと調べ上げる
そこへ ソヒョン公とユシンが様子を見に来る
状況報告をする月夜(ウォルヤ)
竹方(チュクパン)も どれだけ大変な作業かを力説する
『ただ今ソルォン公と縁の深い者を 兵部(ピョンブ)の記録から探しております』
『しかし こんなに多くてはとても調べきれません ソルォン公は15年間も
兵部令(ピョンブリョン)を務めており 何度も戦へ出ています
それにソルォン郎(ラン)に抜擢され昇進した者も大勢いて…』
竹方(チュクパン)の訴えに同意して2人はうなだれる しかしユシンは…
『だが ソルォン公との関係を そうやって』
『いやしかし…』
『そうしなければ 兵部(ピョンブ)を率いてミシルと戦えない
月夜(ウォルヤ)と大郎頭(テナンドゥ)は 調査を急いでくれ』
『はい』
※大郎頭(テナンドゥ):郎徒(ナンド)の6番目の等級
徳曼(トンマン)もまた 後から後から出てくる不備に弱っていた
『チョゲリョンの宮殿建設の文書がない?』
『それが…』
『申してみよ』
『宮殿の建設費用は夏宗(ハジョン)公と上大等(サンデドゥン)が工面し
その件を担当していた成典(ソンジョン)の役人は…
セジュが逃げた日から姿を見せません』
※成典(ソンジョン):王室の寺院や宮殿の建設の担当部署
『この件に詳しい者は他におらぬのか!』
『それが…多額の費用を要する案件ゆえ 秘密裏に進められておりまして…』
『分かった 下がってよい』
そこへ 閼川(アルチョン)が飛び込んでくる
『到着予定の手弩(シュド)が乃而浦(ネイポ)に届いておりません』
『手弩(シュド)?』
※手弩(シュド):矢を連続発射できる弓
『船府(ソンブ)で船大工や鉄工など技術者を倭国へ送る代わりに
手弩(シュド)を受け取ることになっていたのです ソルォンが指揮を』
※船府(ソンブ):船舶関連の業務を担当
『それがまだ 届かぬと?』
『急いで乃而浦(ネイポ)に人を送りましたが
もし ミシルに強奪されたのだとしたら…』
その頃ミシルは…
『手弩(シュド)が届いた?』
『昨夜 乃而浦(ネイポ)に届いた物すべてを持ち帰りました
ソルォン公の話によると 最近では一番良い出来だとか ハッハッハ…』
『食料の蓄えはどうですか』
『この先1年は十分に食べていけましょう ご安心ください』
『それに 外部から完全に孤立したとしても
ここ大耶(テヤ)城では 自給自足が可能です』
『そのとおり 関門の防衛担当のムウン将軍が 兵糧米を調達します』
『そうですか康州(カンジュ)と金官(クムグァン)から
宮殿へ届く上書は止めた?』
『すべて こちらへ届けるよう手を回しておきました』
『あらゆる準備が順調に進んでおります』
そこへ 伝令の兵士としてサンタクが…
『冠文(クァンムン)県から知らせが届きました』
『知らせ?どんな内容だ』
『冠文(クァンムン)県で大火災が起きたそうです』
『何だと?!』
その知らせは 徐羅伐(ソラボル)の徳曼(トンマン)のもとへも届いていた
『火災が?!』
『冠文(クァンムン)県で土城を建設の際 出火し かなりの被害です』
『なぜ知らせが来ないのです!上書は?』
『…来ていません』
徳曼(トンマン)への情報は 正式に上書として報告されるものは何もなかった
『使いを送って状況を把握し処置するように!』
ワナワナと震えながら 徳曼(トンマン)は命令するが…
執務室で 気落ちする徳曼(トンマン)と話し合う春秋(チュンチュ)とユシン
『宮殿内外の統制が取れていません
誰が誰に何を報告しているのか 把握できません』
『まるで宮中に密偵がいて 情報を流しているかのようです』
そこへ閼川(アルチョン)が…
『王女様!乃而浦(ネイポ)に届いた武器はすべて
大耶(テヤ)城に運ばれました!』
愕然とする徳曼(トンマン)
茫然とする春秋(チュンチュ)
キム・ユシンが厳しい表情で…
『この状況を早く何とかしなくては!
このままでは ミシルのいる所が徐羅伐(ソラボル)に!!!』
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